平成21年9月定例会におきまして、10月1日、本会議での質問に立ちました。

9月定例会 本会議代表質問
自由民主党を代表して質問をさせていただく。
先の衆議院議員選挙では自民党が大敗をし、1955年自由民主党結党以来、初の第二党に転落し、16年ぶりに政権が交代をした。本県では、3議席とも自民党が獲得したものの、国民の下した審判を謙虚にそして真摯に受け止めなければならない。
保守本流のわが党は、戦後一貫して、豊かで安全な暮らしができる国づくりに努めてきた。
戦争をすることなく、また、世界で一番治安のよい国になった。そして、平均寿命が世界一。昭和22年男性の平均寿命は50歳のところ79歳に、女性は53歳が86歳に大幅に伸びてきした。これは、単に医療の進化だけではなく、国民生活の向上に政治が最も力を入れてきた現れと信じところである。
しかし、半世紀におよぶ長期政権とイデオロギーの対立がなくなり、それとともに緊張感も薄れ、知らぬ間に少しずつ国民の意識とずれ始め、気がついたときは大きな乖離があったのだろう。麻生太郎前総理大臣は敗因を「自由民主党に対する積年の不満を拭い去ることができなかった」と振り返った。
私は、先日、激動の昭和の中、多くの指導者を指南してきた思想家・安岡正篤先生の御子息で、今も安岡学を研究しており、私も師事をしている安岡正泰先生を訪ねた。私は、政権交代が行われ、国の形が変わろうとする今、政治は何をなさなければならないのかと尋ねると、先生は「礼儀修まらず、内外別なく、男女淫乱にして、父子相疑えば、すなわち上下乖離し、寇難並び至る」と答えられた。これは中国の荀子の言葉で、「政権がどうなろうと、礼儀を忘れ、内も外の区別もつかず、風紀が乱れ、親子がお互いに疑えば、全てにおいて心は離れていく、こんな世の中になると必ず国は滅びる。そんな世の中にさせないために政治がある」という意味である。また、政治家としての心得として、「世間の冷たさに耐えなければならない、苦しいことに耐えなければならない、煩わしさに耐えなければならない、ひまにも耐えなければならない、興奮してはならない、バタバタしてはならない、つまらない人と競争をしてはならない、人のあとをのろのろついて行くのは最もいけない。そして大事を成さなければ成らない」と清の名臣曽国藩の「四耐四不」の言葉をいただいた。
自民党も政治がなすべき原点と己を律する心得をもって政治に励めば、必ずや国民・県民本位の政党として認めてもらえるものと信じる。
県民の皆さん、これからも新たに生まれ変わる自民党に対し変わらぬご指導をいただけますよう、この場をお借りいたし、よろしくお頼みいたします。
知事の政治姿勢について
(桑名)
 総選挙の結果をどう受け止め、自民党大敗の原因はどこにあると考えるか。また、民主党鳩山政権に対し何を望み、谷垣自民党に何を求めるか。

(知事)
 総選挙の結果は、社会のセーフティネットへの不安や不信感に起因した、新しい政治の流れを期待する声が高まるなか、地域の皆様の気持ちを十分に吸い上げられなかったことなどが相まったものではないか。新政権へは、公約に掲げた「国と地方の協議の場」を早期に法制化し、真の意味での「地方の再生」につながる効果的な政策が打ち出されることを期待する。また、自民党も地方の実態をこれまで以上に把握し、疲弊した「地方の再生」に向けて建設的な議論を戦わせてほしい。

(桑名)
制限を設けずに国民に直接かつ恒常的に現金を支給する制度は、日本人の勤勉性や
 労働意欲をなくす要因になり、もらうことばかりの風潮がまん延すれば必ず国家は衰
 退していくと危惧するが、所見を聞く。

(知事)
 我が国の経済社会を持続的で安定した成長軌道に導くためには、内需のウェートをより高める経済構造への転換を早急かつ強力に進めていく必要があり、こうした観点から、「子ども手当」や「農家の戸別補償制度」は効果のある施策であると考える。しかし、支給された現金が、制度の趣旨に沿った目的に使われず貯蓄に回されると、本末転倒の結果になるので、需要につながる仕組みとしなければならない。

(桑名)
 政策決定の一元化は、意思決定を迅速化させ、国民から見て分かりやすく、権力の二重構造をなくすためには良いが、内閣や国家戦略局に加わらない議員は政策決定にかかわれなくなり、地方の声が届きにくくなる恐れもある。また、情報も当然取りにくくなると考える。今後、県として情報収集や要望活動をどのように行うのか聞く。
(知事)
 今後、新たな意思決定システムの詳細が明らかになるまで、これまでのネットワークに加え、新たな人的なネットワークを構築する。また、本県選出の国会議員のお力をこれまで以上にお借りしたり、私が先頭に立って、高知を応援していただける方々の新たなチャンネルの開拓にも努める。

(桑名)
 今後は、公共事業費も削減され、これまでのような経済対策の補正予算が考えられない中で、本県の景気対策や雇用対策をどのように図っていくのか聞く。

(知事)
 本県の経済基盤は極めて脆弱であるので、産業振興計画を実行し、経済体質の抜本的な強化を急ぎ、景気の動向や雇用の情勢を常に見極めながら、県として必要な対策を講じていく。また国へは財政調整と財源保障制度の充実強化を求める。
(桑名)
 脱官僚による政治主導の方向性について元財務官僚としての思いを聞く

(知事) 
 官僚には、政治のコントロールの下、その力を発揮してもらい、新内閣には、理論構築において官僚に負けない真のリーダーシップを発揮してもらいたい。無駄の排除により、一定の財源確保は可能かもしれないが、(必要財源が)数兆円規模になれば、政策の考え方を変えないと無理ではないか。

(桑名)
 県民の不安感を払拭する意味でも、これからの県政にかける決意を聞く。

(知事)
 就任以来掲げてきた5つの基本政策、なかでも「産業振興計画の推進による経済の活性化」、「教育の充実と子育て支援」、「高知型福祉の推進による日本一の健康長寿県づくり」といった政策を中心に、県民が安心して生活できる県土の基盤づくりに向け、これまで以上に邁進し、県民の皆様の不安感の払拭に努める。
教育問題について
(桑名)
 教育委員長の教育にかける思い、哲学は何か聞く。

(知事)
 高知県を日本一の教育環境に尽力したい。そのためには、次の二点が重要だと考える。一つ目は、「まあこんなものだろう」と絶対に考えないこと。地域や教員の教育力も、児童生徒の学ぶ力も、伸ばそうとすればどんどん伸びてゆく。二つ目は「データに基づいて考える」こと。教育の結果について、何らかのデータを得る努力をしなければ、自己満足に陥りがちで、客観的な評価に基づく進歩はない。教育に携わる方々がこのように考えていただければ、必ず日本一の教育環境が実現できる。

(桑名)
 教育振興基本計画をより実効性のあるものにするための考えを聞く。

(教育委員長)
 教育振興基本計画を着実に実行するためには、市町村と県が現状や課題を共有し、お互いが一つになって取り組んでいくことが必要。基本計画において「地域ごとの重点的な取組方針」をまとめ、その先導的な取組として、教育版「地域アクションプラン」で支援を行う。

(桑名)
 国旗・国歌についての所見を聞く。

(教育委員長)
 だれもが、よりよい国にしたいと考えているのではないか。その思いのもとに、互いのアイデンティティ(帰属意識)として、国旗・国歌に接することは重要である。国際社会の中で、児童生徒が日本と世界を意識し、信頼される日本人として成長するためには、他国の歴史や伝統、文化も尊重する態度を育てることが必要で、いずれの国でもその国の象徴として大切にされている国旗・国歌を尊重することは大事であると考える。国旗・国歌については、学習指導要領に示されている内容に応じた指導を行うことが重要である。

(桑名)
 学力テストの重要性をどう感じているのか。また、民主党が検討している見直しが実行された場合、本県はどのように対応をしていくのか。

(知事) 
 学習内容の定着状況を客観的に把握し、明らかになった課題に具体的な対策を講じることが必要で、全国学力・学習状況調査の果たす役割は非常に大きい。したがって、国に対しては全国学力・学習状況調査の継続実施を要望し、仮に中止や抽出での実施となったとしても、県の子どもたちの学力状況を全国との比較し、把握できる悉皆調査を行うことが必要だと考える。
農業問題について
(桑名)
 日米FTAが締結された場合の本県における影響と日米FTAについてどう考えるか、所見を聞く。

(知事)
 米国は多くの農産物の関税撤廃を求めてくることは必至で、関税撤廃の圧力が世界的に高まると予想される。万が一、このような内容で締結されると、国内農業だけでなく、関連産業、ひいては地域経済に壊滅的な打撃を与える恐れがある。農業は、本県にとって基幹産業として位置付けており、いかに成長発展させていくかが、極めて重要だ。県としては、今後、日米FTAに対する政府の方針や考え方、対応について、同様の事情にある自治体と連携しながら、政府に対し、提案・要望を行う。

(桑名)
 ここ数年で高知県のハウスを省エネ型、環境保全型に切り替えるという長期的な取り組をするためにも、作物の収穫時期を気にせずに利用できる県単事業をぜひとも創設するよう要望するが、所見を聞く。

(農業振興部長)
 今後も省エネ対策を進め、園芸農業の経営体質強化に取り組んでいく必要がある。そのためには、省エネ技術の普及・啓発を進めるとともに、生産コストの低減につながる多層カーテンといった省エネ施設の導入についても検討する。

(桑名)
 水田の状況や特質を研究し、その場に合った裏作の作物は何かを、農家やJAと共に検討することがこれからの県の役目と考える。農業は物を作ることが使命であり、国の農業政策にとらわれない独自の生産体制をぜひ構築してもらいたい。

(農業振興部長)
 生産者米価は、本年も更に下降し、稲作経営はますます厳しさを増している。本県では、水田の裏作として気候条件に適合した作物などを栽培し、所得を確保している地域もあり、このような取組を、更に他の地域にも拡大していくことが重要。平成18年度より始めた「有望品目導入・定着推進事業」は、生産者の所得確保に向け、有望な品目のリストを作っている。その中から、水田の裏作にも適した品目を選定し、試作や試験販売を繰り返しながら、生産拡大に取り組んでいる。今後も、すでに定着している品目への技術指導と併せて、生産者、JAの意向や消費者ニーズも踏まえて、新たな品目の導入や普及にも取り組む中で、野菜を中心とした水田裏作の生産体制づくりにつなげる。
土地開発公社について
(桑名)
現在の公社保有地の中で、いわゆる塩漬け状態の土地は、どれくらいあるのか。また直近の路線価や近隣の固定資産税評価額から推察した場合の時価評価による損失はいくら位になると思われるのか。

(土木部長)
 土地開発公社が長期間、保有する土地は、9月末日現在で、7団地8区画 71,911u、簿価は約65億円、時価は、約54億円で、約11億円程度の評価損が発生していると推測される。

(桑名)
 この塩漬け状態の土地の取得原価と時価評価の差損についての問題をいつの時点で、どのように解決するつもりなのか。また、政権交代により公共事業の今後の動向も不透明な状況となったが、土地開発公社のあり方についてどのように考えるのか、併せて聞く。

(知事)
 地価の下落傾向や公共事業の縮減により、その使命・役割は小さくなっている。先ずは今後の公共事業の動向を把握し、公社の人的資源の状況や収支見通しも踏まえ、年度内には今後のあり方を明らかにしたい。公社保有地の取得原価との差損の処理については、公社のあり方を検討していく中で、時期や方法の検討を行っていく。
産業振興計画について
(桑名)
 アンテナショップについて費用のあり方・仕組みについて聞く。

(知事)
 アンテナショップにおける物販、飲食事業は、収益を伴うが政策的な目的のために実施するもので、経営努力をしても収益では賄えない部分については、公費を充てる必要があると考える。ただ、政策的に実施する業務だから赤字は当然などとは全く考えていない。公費の投入をできる限り抑えられるよう、運営計画の中に様々な工夫を盛り込む。

(桑名)
 アンテナショップで飲食部門をする意味は何か聞く。
(知事)

 飲食機能を備えようとする具体的な目的は3つある。第一には、県産品の販売拡大に貢献すること。第二には、本県の食材や加工食品の商品力を高めること。第三には、「食」をきっかけとした本県への観光の誘客を促進すること。こうした目的を達成するため、本県ならではの質の高い食材を多彩な新味のあるメニューで提供し、工夫を凝らした運営に努め、たくさんのお客様にご来店いただけるようにすることが大切である。
観光について
(桑名)
 同時並行して、再来年以降の「龍馬伝」を生かした恒常的な観光施策を検討しなければならないと考えるが、その検討は行われているのか聞く。

(知事)
 本県観光の強みである「食」、「自然」、「歴史」、「文化」などを生かした県民参加による体験型観光の推進を図る必要がある。県内各地域では、地域アクションプランに基づいた様々な取組をしている。また、観光客の交通手段を確保し、利便性を高めるための定期観光バスの運行や周遊観光タクシーの充実などによる二次交通の整備を進めている。こうした受入態勢の充実に向けた取組を、着実に実行することに加え、高知県観光の全国への情報発信やそれによる誘客が期待できる「フィルムコミッション」の体制強化と、支援の充実にも取り組む。現在は、「土佐・龍馬であい博」に向けた準備に全力をあげているが、その取組には、恒常的な観光施策につながることを意識した施策も入っている。さらに、「土佐・龍馬であい博」の本番に入る時期には、ポスト「龍馬伝」に向けて、新たな体制づくりを行い、対応策の検討をより本格化させる