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◆1番(桑名龍吾君) 桑名龍吾でございます。初めての質問になりますが、何とぞよろしくお頼みをいたします。
私は、選挙中、高知市内の各所において街頭演説を行ってまいりました。そして、多くのことを自分なりに訴えてきたところです。反応もよく、私は自分の話に同感をしてくれているもんだと思っておりました。しかし、あるとき、これは違う、この方たちは逆に私たちに訴えているんだ。どうか、この高知を変えてくれと。そして、住みやすい、子や孫に残せる高知をつくってくれと。この声なき声をしっかりと受けとめ、その思いを形にして県民にお返しをしなければなりません。これが県政に与えられた使命と感じております。この思いを忘れずに職務に励む所存です。これからの4年間、先輩議員、同僚議員、執行部の皆さん、職員の皆さん、そして何より県民の皆様方、御指導のほどよろしくお頼みをいたします。
さて、都市部では戦後最長の好景気がまだまだ続くなどと言われ、バブル期をもしのぐ好景気と沸き返っております。しかし、この都会の発展を支えているのは何なのか。それは、まさしく地方の力であります。都会での空気、水、食糧、そしてまた労働力はどこから供給されているのでしょうか。それも地方からであります。今、都会の人は地方の存在価値を認識しなければなりませんし、また地方の我々もだめだ、だめだと嘆くより、我々が国家を、そして都市を支えているんだという気概を持たなければなりません。しかし、この気概を持ったところで、あすからの生活がよくなるわけではございませんが、この心を忘れたときに私は、地方が国家に、そして都市にのみ込まれてしまうんではないかと危惧をしているところでございます。明治の文豪、徳冨蘆花はこう言いました。国家の実力は地方にありと。今こそ、この言葉の持つ意味を全国民が感じなければならないと信じるところでございます。
さて、高知県を見ますと、さきの国勢調査において人口が80万人を切りました。また、2035年には60万人をも割り込むだろうとも予測されております。今、高知県の人口減少に歯どめがかかりません。人口が減ることは、将来に大きな影響を及ぼすものです。物をつくる人が減り、買う人が減る。高齢者を支える若者が足りず、医療や介護問題もますます深刻になります。要は、県の力が減退することです。このような状況下、私は、これからの高知県が目指す姿は、単に都会に追随するのではなく我が県の特色を生かし、食糧や環境をキーワードとした、いわゆる大いなる田舎になることを望むところです。そうなることで、高知市への一極集中を防ぎ、各集落でも豊かな生活ができるものと考えられます。
知事は、この人口減少社会をどうとらえ、20年後の高知県のあるべき姿、そしてその姿に向かっていくには今何をしなければならないのか、お考えをお聞きいたします。
次に、昨日も大石議員の質問にもありましたが、道州制について質問をいたします。人口の減少、財政問題も含め、道州制の議論は今後の高知県のあるべき姿を想定する中で欠かせない検討事項です。骨太の方針で、道州制実現のための検討を加速せよと原案にも盛り込まれております。私自身も、道州制の導入は単なる数合わせや地方と国の役割が明確にされないまま、区割りの議論まで踏み込むことは時期尚早と考えます。また、道州制の前に、まずは土佐の伝統、歴史などを生かし、しっかりとした高知県をつくることが県政に与えられた使命であると考えます。しかし、国は一気にこの問題を進めようとしております。四国の他県の知事発言を見ても、既に区割りの議論に入っております。九州では、知事会を中心に官民挙げて道州制を検討する委員会が立ち上がり、実現に向けた方向性を定めました。
道州制に関して、知事は、このままでは地方分権をもとにした道州制は進まないと否定的な見解でありますが、世の中が一たん動き出すと、高知県だけが否定をしても大きなものにのみ込まれてしまうおそれもあります。現在は国が主導で議論を進めておりますが、行革を行うための道州制か、地域活性化を図るための道州制か、また国と州の役割分担はどうなるのか、税源移譲など賛否も含めて地方の意見をしっかり述べ、地方主導の議論を行うことが必要と考えます。
高知県において道州制についての研究はどこまで進んでいるのか、また道州制の議論のあり方について知事の考えをお聞かせください。
さて、現在進行中の高知県行政改革プランについて総務部長にお聞きいたします。高知県では、第1次・第2次財政構造改革、平成16年には財政危機宣言を行ってきましたが、三位一体の改革や歳出・歳入一体改革でより厳しい状況になっております。この三位一体の改革は、地方にとっては都市対地方の格差をますます広げる結果となったことは事実でありますが、これまでの借金漬けの漫然とした地方の体質を変える契機になったことも事実でございます。これを機に、身の丈に合った自立する高知県をつくらなければなりません。しかし、このまま進むと、平成20、21年度は100億円を超える財源不足が発生し、21年度には赤字に陥り財政健全化団体になる可能性も出てきたところです。
こういった中、現在、平成21年度までを目標とする行政改革プランを策定し取り組んでおりますが、行政改革プランの財政面での対応について、その中間年としてのこれまでの進捗状況と今後の課題は何かをお聞きいたします。
また、財政改革を実行する中、公共事業の圧縮などの影響で各産業が冷え込んでいる状況下において雇用対策本部を立ち上げましたが、雇用対策はある意味、景気対策を含みます。それらの両立を今後の予算編成でどう図るのか、その取り組みについてもお聞きをいたします。
行政改革プランで、PDCAサイクルによる業務改善に取り組んでおります。私も県議会議員になって2カ月になり、各部の業務概要、出先機関の業務調査も行ってきましたが、果たしてこのPDCAサイクルが本当に機能しているのか、疑問を感じているところです。Pの計画とDの実行は立派なものですが、Cの検証とAの改善はまだまだといったところではないでしょうか。これから県が本腰を入れなければならないことは、これまで予算を投入してきた事業はどう成果が上がったのか、その成果がどう県民のために役立ったのかを追跡調査することが必要と思います。また、公的施設の運営についても聖域とせず、真の意味においての費用対効果を検証し、期限を設けて統廃合や廃止に踏み切る検討もしなければならないと考えます。
これまでの取り組みの検証と、それを踏まえて今後どういった行政改革に取り組まれるのか、これも総務部長にお聞きをいたします。
財政再建団体への転落の恐ろしさは、さきの夕張市の一例で県民も十分理解されたものと思います。政治や行政は、県民に幸福をもたらす希望を与えなければなりません。しかし、県民を路頭に迷わすことは絶対に許されることではありません。行財政改革は、県民へのサービスの低下も考えられますので、県民の皆様にも御理解をいただく必要がございます。このためにも、財政状況の積極的な情報公開や財政再建に向けた具体的な工程表の提示などが必要と考えます。
今後も景気向上が見込まれない中、県民の皆さんにどう理解をしていただくのか、その取り組みを総務部長にお聞きいたします。
次に、我が県の基幹産業である農業について質問いたします。かつて園芸王国と言われた高知県も衰退の一途です。最近では、重油の高騰、農産物の価格低迷などが重なり、農業を取り巻く状況はますます悪化しております。現に、施設園芸経営の維持が困難になり、施設園芸から露地を主体とする農業への転換や廃業まで考えている農家も出現をしております。当然、後継者も減ってくることでしょう。このことは、本県の農業及び産地の縮小につながりかねないところです。本年1月1日の高知新聞世論調査において、高知県が目指すべき方向はとの問いに、「食料生産・供給県」を目指すとの答えが34.2%と最多でありました。
知事は、この県民の思いと現在のこの状況のギャップをどうとらえ、高知県農業の発展にどう取り組むのか、お聞かせください。
先般、このような話を聞きました、今の農業を取り巻く状況を端的にあらわした話です。イチゴ農家の話です。日中は収穫をして、夜は箱詰め、朝は6時に出荷をする毎日。孫に、「おじいちゃん、これで幾らになるが」と言われ、おじいちゃんは恥ずかしゅうてよう答えれんかった。これでは、孫に農業やれとはよう言わん。当然、息子さんは勤め人でございました。また、逆の話も聞きました。中山間の若夫婦、2人とも高知市内で勤めておりましたが、お父さんの勧めで、一緒に力を合わせて農業をやれば今より稼げると言われ山に帰ってきました。地域の皆さんと力を合わせることで収入も安定しており、農業をやってよかったと。要は、働いただけの賃金が稼げれば後継者は育ちます。また、再生産の意欲もわいてきます。農家手取りが安定すれば、今の農業問題の大半は解決するものと考えます。
しかし、現在は流通の仕組みも変わり、市場機能は相対取引に押され、市況がなかなか上がらないのが現状です。高知県では、県産品ブランド室が中心となり高級特産物の売り込みを行っているところです。先般も、紀ノ国屋との商談会を実施したとも聞いております。大いに成果を期待するものです。しかし、大切なことは、これらのブランド品が一般作物のレベル向上や消費拡大につながらないと高知県産品の底上げにはなりません。
例えば、てんたんやエメラルドメロンがブンタンやメロンの底上げになっているのか、農業振興部長にお聞きをいたします。
また、ブランド品だけでなく、高知には全国に誇れる通常の1次産品が多くあります。県外の単なる物産展でお土産程度で売るのではなく、継続して購入する飲食店、ホテル、食品加工業者など食に関する企業を集め、高知の野菜や果物、水産物の商談会を実施することも一つの底上げになるのではと考えております。今、消費者は食育ということで、食の安全・安心、栄養価に対して関心を持っております。苦しい中ではありますが、これをチャンスとしてとらえ、消費者のニーズに合った生産を行うことが必要と思います。しかし、安全と安心は各産地が取り組み、もはや常識となっております。今、宮崎県産品の売れ行きがよいのは、安全・安心に加え、東国原知事の人気が加わってのことです。
ならば、我が県では安全と安心に何をつけて売り込むのか。私は、高知県は安全と安心にうんちくをつけた販売がよいかと考えます。要は、今の消費者はこだわりやうんちくを求めております。こだわりの情報誌が本屋の棚を埋め尽くしております。それぞれの作物には生産者の思いやこだわりがあるはずです。先日、畜産試験場でこれから売り出そうとしている土佐はちきん地鶏の話を聞きました。研究者の熱意も感じられ、そしてどうやって土佐はちきん地鶏が生まれたのか、パンフレットにまとめておりました。高知県産品のうんちくを一冊にまとめた本をつくり、宣伝に使うのも有効と考えます。
農産物の価格が低迷して久しい中、高知県産品をどう有利販売して所得を上げていくのか、その方策を農業振興部長にお聞きいたします。
次に、農産物の輸出についてお聞きいたします。農産物の輸出をすることで日本農業の空洞化や輸入の拡大など懸念されることもありますが、全国各県では積極的に検討され取り組んでおります。農林水産省も、世界的な日本食ブームやアジア諸国の所得水準の向上を好機ととらえ、今後の農政の柱と位置づけております。平成18年、3,739億円の輸出額を、平成21年には6,000億円に、平成25年には1兆円を目標に掲げ、動き出したところです。高知県でも、現在グロリオサを中心に研究がされていますが、ブランド品や一般野菜、果物も含めて積極的に研究されることを要望いたします。幸いにも高知新港もあり、そして上海、シンガポールにも海外事務所があります。
今あるものをフルに活用して、攻めの農政を実現しようではありませんか。その取り組みについて農業振興部長に質問をいたします。
次に、ハウス用重油の代替対策についてお聞きいたします。近年の重油高騰は、作物価格の低迷と相まって施設園芸農家の経営を圧迫しており、代替燃料がいつできるのか、一日も早い開発を農家は望んでおります。現在、県の試験研究機関において木質バイオマスボイラーの開発に取り組んでいますが、お聞きするところによると燃料供給システムにも課題があり、広く農家に行き渡ることはなかなか難しいようです。一部の農家のために開発するのではなく、施設園芸農家が皆利用できる代替設備の開発を望むところです。研究のための研究にならないことを願います。
現在の木質バイオマスボイラー開発の進捗状況と現時点での普及に当たっての課題は何か、産業技術部長にお聞きいたします。
また、重油高騰対策の一つである低温管理をしても品質、収量が変わらないピーマンやシシトウなど野菜の品種改良の研究もお願いするところです。その取り組みについても産業技術部長にお聞きをいたします。
次に、少子化問題についてお聞きいたします。2006年は、女性が一生の間に産む子供の数、合計特殊出生率が高知県では1.33で、出生数は6,015人と6年ぶりに回復したと先日発表されましたが、依然厳しい状況であることは変わりありません。高知県においては、この問題に対処すべく本年4月に少子化対策推進本部を設置し、その意気込みも評価されるところです。本県では、これまで平成10年に高知県エンゼルプランを策定し、平成16年度までの7年間取り組みを進めてまいりました。平成17年には、こうちこどもプランも策定されました。
この中で具体的な目標も立てているところですが、これらの対策とこれから行おうとする少子化対策はどこがどう違うのか、知事にお聞きいたします。要は、より実効性のある対策を行わなければならないということです。
さて、少子化の要因の一つに、未婚率の上昇と夫婦が子供を持つ数の減少があります。結婚をするしない、子供を産む産まないは個人の問題であり、深く政治や行政が立ち入ることはできませんが、個人が望みながらできない原因があるのならば、これは取り除いてあげなければなりません。たくさんの子供を産めない理由は、子育てや教育にお金がかかり過ぎるということや、仕事と家庭の両立が難しいということが多くを占めております。共稼ぎ夫婦が多い高知県。土曜日、日曜日に預けることができる保育所や、病気の子供を預かる保育所などは県民が望むものであります。また、県内で最も人が集まるこの県庁付近で保育所を構えることも一案かと思います。県の財政状況も厳しいので、民間企業の力もかり、これらの問題を解決しなければなりません。
福岡、長崎、大分、佐賀、熊本のいわゆる九州北部5県では、それぞれが連携をとり、子育て応援の店事業を立ち上げました。小学校入学前の子供を持つすべての家庭を応援し、登録しているレストラン、スーパー、飲食店などで割引サービスやポイントサービスなどが受けられるものです。また、石川県は、18歳未満の子供が3人以上いる家庭を対象に同様の事業を行っております。ほかにも子育て事業はたくさんありますが、事業の目的は、社会の協力により子育てを社会全体で応援していくという機運を盛り上げていくことが必要だと思います。
行政だけでなく企業や社会の意識変革も行わなければなりませんが、この点について県民運動としてどうかかわり意識を醸成させていくのか、健康福祉部長に具体策をお聞きいたします。
次に、観光交流人口の拡大に向けた一連の取り組みについて観光部長にお聞きいたします。高知県では、観光交流人口の拡大を図るため、平成16年に議員提案により、あったか高知観光条例を策定。それに基づき、平成17年には高知県観光ビジョンを策定し、観光立県を目指した取り組みがなされております。観光ビジョンも平成21年度を目標年次として、本年度はその中間年となりますが、これまでの取り組みにより各地域において一定成果も上がってきているように思えます。また、さきの土佐二十四万石博も、約108億円の経済効果を生み出し一定の成果をおさめたところですが、反面、一過性のイベントということから反省点もあったところです。
これらを含め、平成18年の県外観光客入り込み調査及び県内経済波及効果結果では、県外観光客の総数は322万人と前年に比べて15万人増加しているものの、1人当たりの消費額は2万6,190円と前年に比べ約2,000円減少しております。この原因は日帰りの観光客が多かったことや、場所が特定されたことにより県中央部から足が伸びなかったことも要因の一つであります。経済波及効果をより高めるためには、宿泊客の増大を図ることが大きな要因となります。高知県には、道後温泉のような古くからの温泉地という核となる宿泊場所がありませんが、すばらしい食や文化、自然体験などどこにも負けない資源がたくさんあります。高知を満喫していただくために1泊、2泊と時間をかけてゆっくり滞在していただくことが高知ファンをふやし、また行ってみたいと思っていただけるのではないでしょうか。
こうしたことからも、今回提案されています高知城の追手門のライトアップ事業は、高知城を夜間観光スポットとするためには効果的な取り組みと考えますが、今後、夜間観光スポットの新たな設定や宿泊を伴う観光コースの設定についてどういう計画を持たれているのか、お伺いいたします。
さて、平成18年の観光による県内経済波及効果は、直接経済波及効果として約843億円、生産誘発効果を含めた経済波及効果も約1,352億円に上がりました。観光産業は県内の経済波及効果がすぐにあらわれ、1次産業初め幅広くあらゆる産業にもその効果を発揮するというメリットがあります。
そこで、本年度から本格的に準備に入り平成20年3月から開催される花・人・土佐であい博について、どれくらいの観光客を見込んでいるのか、また雇用の促進も含めたその経済波及効果はどれくらいと試算しているのか、お伺いをいたします。
本年度から、新たにおもてなし課が新設されました。知事も2月議会の提案説明の中で、日本一を標榜する宮崎県には絶対負けないとの説明がありました。私も、おもてなしは観光振興する上で一番重要な要素であると考えておりますし、高知の持つ土佐人気質は全国にも誇れるものと思っております。しかし、そのすばらしさは長期間高知にいる方には理解されますが、観光客の方には本当のよさが伝わりにくい状況ではないかと思われます。観光客の皆様に対し、写真を撮ってあげるとか、観光バスに手を振るとか、小さなだれでもできることが最も大切なことで、こうしたことが日本一を目指すための基本的なものと考えます。平成14年に開催されましたよさこい高知国体で、県下において民泊による宿泊対策が大変好評を得たと聞いております。ぜひ、高知国体のときの県民のおもてなしに対する盛り上がりを思い起こしていただき、これからの花・人・土佐であい博を初め、グリーンツーリズムなど観光や地域の活性化のさまざまな取り組みに生かしていくべきと考えます。
このように、おもてなし運動は県民が皆おもてなしの心を持つことが重要であり、広く県民運動としていく必要があると思いますが、今後県民の意識をどう向上させていくのか、具体的な取り組みについてお伺いをいたします。
次に、防災について質問をいたします。近い将来に起こるとされている南海地震への備えとして、県ではさまざまな施策がなされておりますが、その中で特に重要となるのが自主防災組織のあり方です。しかし、自主防災組織も組織率が平成18年4月現在で40.6%、全国平均で66.9%と、本県は南海地震で甚大な被害が予想されているにもかかわらず低迷しております。
高知県では、平成19年度末までに沿岸部で、21年度末までに県内全域で組織率を100%にすることを数値目標として、研修や助成などを通じ自主防災組織の活動の支援を行っておりますが、目標への進捗状況と、また組織率向上に向けた具体的施策は何か、危機管理部長にお伺いをいたします。
南海地震や風水害、火災等への備えに、住民による自主防災的な取り組みは大変大切なことでございます。阪神・淡路大震災でも、消防や警察によって救われた命より住民相互の助け合いによって救われた方が多く、しかも南海地震のような大規模な災害では、消防や警察、公務員といった人たちも被災者となり、公助的なアクションが県民全体に行き届かないのが現状です。特に本県では、少子高齢化が進み高齢者や独居世帯がふえる中で、いわゆる災害弱者、要支援者への災害時におけるケアが重要となります。
しかし、地域の自主防災の取り組みにおいて、そういった一番ケアが必要な方々への情報が個人情報保護法により地域へ出せないのが現状で、地域での活動の足かせとなっております。現段階でそういった方々を地域で守っていこうとする場合は、文書などを回し説明し、先方よりよろしくお願いしますという、いわゆる手上げ方式をとるしかなく、そのことが地域への人的、時間的、物理的な負担となっております。また、有事の場合、住民の安否確認や被災状況の把握などに支障を来すものと思います。
県として、自主防災組織などの地域安全を進めている組織への要支援者の情報の扱い方、開示に向けた方法、進め方はどのように考えているのか、お聞きいたします。また、自治体の保護条例改正等のアプローチは行う予定がありますでしょうか、健康福祉部長にお聞きいたします。
地域には自治会や、防犯に特化した、最近ではタウンポリスという警察の進める自主防犯組織、子供会や老人会、PTAなど地域に根づいたさまざまな組織がありますが、自主防災組織との連携が余り進んでいないように思われます。特に、防犯の組織との融和は、地域の安全を考える上で大変有効と考えます。地域の防犯組織の構成は学校を中心とした子供を持った保護者などであり年齢層が若く、逆に防災に特化する組織では高齢者の構成が多くなっております。実際のところ、自主防災組織を立ち上げたとしても、いつ何どき起こるかわからない地震への取り組みには継続性が乏しく、地域で行う防災訓練などへの参加者も少ないのが現状です。いざとなったときの活動も、高齢者中心では機能しないことも考えなければなりません。
自主防災の組織率を上げることも大切ですが、本来はその中身であり、多くの住民が参画しているか、さまざまな年齢層の住民が一緒に活動することで本来の形で機能できるかが重要であります。現状では、それが反映されておらず、仮に防災意識が高まっても一過性のもので終わっているように感じます。そのためにも、防災と防犯を一体と考え進めていくべきと考えます。そうすることで、防災に関する認識が広い年齢層に浸透し、継続した本来の地域活動になると思います。現状では、防災と防犯は切り離した考え方が主流であり、県の事業や予算的にも切り離して進めておりますが、地域の安全活動を推進し自助と共助を進めていく上では、一緒に考えて取り組むことが得策と考えます。
支援する側の県としての今後の方針はどのようなものか、危機管理部長にお聞きいたします。
また、高知県犯罪のない安全安心まちづくり条例の観点から文化環境部長にもお尋ねをいたします。
本県では、個人の所有する住宅への耐震診断、耐震改修への助成事業を行っておりますが、地震発生時における安全の確保のために大変重要な事業であるにもかかわらず、住宅の耐震化が進んでいないのが現状です。南海地震の場合、震度6の強い揺れが100秒ほど続き、後にすぐに津波という、阪神・淡路や新潟県中越などの今までの震災とは違う状況であることを考慮し、家屋の耐震対策を進めなくてはなりません。なぜ、耐震改修事業が進まないのか。それは、地震はまだ来ないだろうという意識、それと費用がかかり過ぎるという理由が多いのではないでしょうか。評点0.4から1.0への改修には、現実には200万円から300万円もの負担が生じ、改修に向けた行動にはなっていないのが現状です。いかに安く、より強度な改修工法を研究して、より多くの県民が改修できる方策を早急に考えなければなりません。
県として、今後の耐震改修に向けた考えはどうか、さきに西森議員もお聞きいたしましたが、土木部長に再度お聞きをいたします。
次に、商店街の活性化についてお聞きをいたします。商店街は町の顔であり、多くの地域の住民が消費生活をする場です。また、観光客や情報の発信地としての機能を持ち合わせております。近年では、西武、ダイエー、バルザが撤退し、帯屋町を初め各商店街は、通行量も減り地価も下がってきており悲鳴を上げ始めております。この問題は一つの商店街の問題ではなく、地域の中核都市の機能や町のあり方にもかかわる大きな問題であり、一日も早く解決をしなければなりません。また、中心市街地だけでなく、山村、農村、漁村の商店街も車社会の影響でシャッターが閉まり出しております。車のない高齢者の皆さんはどこへ買い物に行ったらいいのか、毎日の生活にも困っているのが現状でございます。商店は、これまで地域の生活を守り、風習も伝え支えてきた地場産業の柱でもあります。高知県内でも4万5,000人もの方が就業しており、構成比は19.9%と産業別労働者数も最も多くなっております。
個店の魅力アップや自助努力は当然各店、商店街が取り組むことが前提となりますが、地域の商店街の活性化に向けて今後どういった支援をされるのか、商工労働部長にお聞きをいたします。
次に、西武跡地を中心としたはりまや橋周辺の再開発についてお聞きいたします。はりまや橋は、観光面でも商業面でも高知県の表玄関であります。幸いにも、西武跡地には大型商業施設の建設も控えており、国際ホテル跡地には西鉄のホテルの建設も進められております。また、四国銀行も耐震工事と一緒に明るくリフレッシュされており、相乗り効果を最大限に活用したいところでございます。私見ではありますが、はりまや橋の交差点を中心に、西武跡地に計画されているビルや西鉄ホテルなど周辺施設を歩道橋でつなげば、集客や回遊性を確保できるだけでなく歩道橋から市街地の四方の景観を楽しめる一大観光スポットとなり、はりまや橋の魅力も一層引き立つものと思われます。しかし、現在の財政上、歩道橋の構想は困難なことですが、何か知恵を出し合い、高知の名所として全国に再び売り出したいものです。がっかり名所と言われても、はりまや橋は高知県の中心地であり顔であります。
この際、知事にリーダーシップを発揮していただき、高知市や商店街の皆さんとともにはりまや橋周辺の再開発を進めるべきと考えますが、知事のお考えをお聞きいたします。また、西武跡地の大型商業施設の整備進捗状況はどうか、あわせてお聞きをいたします。
最後に、地域中小企業応援ファンドについてお尋ねをいたします。産業振興ビジョンに沿った活動をする中小企業を支援するファンドを設置することは、大変評価するところです。事業化に向けた研究開発や新分野への進出、人材育成など支援内容も広く使い勝手のよい事業だと思います。現在、高知県が総額100億円として年間1億5,000万円の運用益を見込んでおりますが、県にとってもリスクの少ない事業であり、もっとファンドの総額をふやしてもよろしいかと考えます。徳島県は120億円、香川県は118億円。地元金融機関にとっても、地元の中小企業が発展することは景気回復にもつながり、決して悪い話とは思えません。
今後、総額をふやす思いがあるか、商工労働部長にお聞きし、第1問を終わります。
(知事橋本大二郎君登壇)
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◎知事(橋本大二郎君) 桑名議員の御質問にお答えをします。
人口減少が進む中での20年後の本県のあるべき姿とその実現に向けての取り組みについてお尋ねがありました。県として将来に向けて取り組まなければいけない役割には、県民の皆様の暮らしや生活を守るという守りの部分と、産業政策などを通じて何かを売り出していくという攻めの部分とがあります。人口減少と少子高齢化が速い速度で進んでいくという、これからの20年を見通す中で本県のあるべき姿を考えますと、まず医療や福祉、あるいは教育といった守りの部分を確実に維持していくことが必要になってきます。そのためにも、県や市町村の姿や役割を今のままにしておいたのではその展望が開けなくなってきていますので、今回、市町村合併推進構想の中で、2015年を目途に県内を6つの市に再編することと、あわせて県と市町村との垣根を越えたサービスの仕組みをつくるという考え方をお示ししました。
その一方で、本県の経済や雇用の厳しい状況を考えますと、守りの部分だけでなく、いわゆる攻めの部分に当たる産業の振興と雇用の拡大など産業政策が大変重要になってきます。また、そのことに関しましては、昨日もお答えをしましたように、地域資源の強みを生かした取り組みや本県の基幹産業であります農林水産業の活性化、さらには1次産品の高付加価値化などに着実に取り組んでいきたいと考えています。
次に、本県における道州制の研究と議論のあり方についてお尋ねがありました。道州制は、国と地方の役割分担の見直しなど地方の側だけでなく、中央政府のあり方も含めた抜本的な改革でなければなりません。そのため、道州制に向けては、そこに暮らす住民にそれがどんな影響を与えるのかといったことを広く研究した上で、国民的な議論を積み重ねていく必要があります。こうしたことから、全国知事会でも既にこうした考え方からの議論が進められていまして、ことし1月には道州制に関する基本的考え方が取りまとめられています。また、四国4県でも一昨年、道州制研究会を立ち上げまして、各県の副部長クラスから担当に至るまでの職員が2カ年にわたって、道州制に移行した場合の住民の暮らしへの影響や四国州となった場合の発展の可能性などを幅広く研究してきました。このたび、取りまとめられた内容が先日の四国知事会議に報告されましたので、今後はこれらの積み重ねをもとに地域での議論を深めていきたいと考えています。
道州制というテーマだけに高知県単独での研究チームはありませんが、お話にもありましたように国の動きが加速してきていることも事実ですので、今後とも4県共同の道州制研究会の場で道州制の課題を引き続き研究しますとともに、国の動きなどに関する情報交換や意見交換も行っていくことにしています。
次に、「食料生産・供給県」を目指すべきだという県民の皆様の思いと農業の厳しい現状とのギャップをどうとらえるのか、また本県農業の発展に向けてどう取り組むのかとのお尋ねがありました。この調査の結果は、農業などの1次産業が本県の基幹産業として発展してほしいという県民の皆様の期待のあらわれだと受けとめています。また、こうした期待を受けて本県の農業が持続的に発展していくために、農業産出額の72%を占めます園芸農業の振興と中山間農業の振興に重点を置いて取り組みを進めています。
このうち、まず園芸農業を振興していくために、消費地に信頼される産地を目指して、農業団体の主体性を引き出しながら、生産・流通構造の変化や市場の出荷要請に対応できるような産地のまとまりの形成に向けて、今後とも支援をしていきます。また、安全と安心に対する関心の高まりの中で、消費者や流通関係者に選ばれる産地となるため、本県が先進的に取り組んできました環境保全型農業をさらに進化させて全国のトップランナーの地位を築いていきます。あわせて、競争力を確保していきますために、消費者のニーズにこたえる新しい品種や低コスト化を実現するための新技術の開発などに先駆的に取り組んでいきます。
次に、中山間の農業を振興していくために、地域の生産者が農作業の共同化などに取り組む集落営農と有望品目の産地化を進めることによりまして、所得の上がる農業を目指していきます。さらに、地産地消の定着やグリーンツーリズムの育成によって中山間地域を活性化していきたいと考えています。
こうした取り組みを、農業者の皆さんや農協などの農業団体、さらには市町村などの関係者と一体となって進めていきますことが、消費地に信頼され選ばれる食料生産・供給県としての地位を確立することにつながると確信をしています。
次に、少子化対策についてお尋ねがありました。本県では、平成10年に高知県エンゼルプランを策定しまして、主に保育サービスの充実を中心に取り組みを進めてきました。その後、平成17年に策定しましたこうちこどもプランでは、エンゼルプランで積み残した課題を引き継ぎますとともに、保育や健康、子育ての支援など次代を担う高知の子供たちが健やかに育つための環境づくりを進めています。また、こうちこどもプランには、働き方の見直しや仕事と家庭の両立支援、さらには子供を社会で育てる意識づくりなどの視点が盛り込まれてはいますものの十分なものではありませんので、全庁を挙げた取り組みにはなっていませんし、民間への広がりにも課題があります。
そこで、今回はこれまでの次代を担う子供を健やかに育てるという視点に加えて、出生率の減少傾向に少しでも歯どめをかけようとの思いを込めて全庁を挙げた取り組みを進めていきます。あわせて、行政だけではなく企業や県民の皆様と連携して、社会全体での広がりのある県民運動として取り組むという点も、これまでとは少し違った点です。
次に、はりまや橋周辺の再開発に向けての考え方と西武跡地の大型商業施設の進捗状況についてお尋ねがありました。高知市のまちづくりは高知市が主体となって取り組まれていますが、はりまや橋は全国的に知られた観光の名所ですし、県都の中心地に位置していますので、その周辺の再開発は県としても重要な課題だと考えています。高知市ではこの4月に中心市街地の活性化に向けて推進事務所を設置していますが、さらに近日中には本格的な検討に向けた準備会を開催するとお聞きしていますので、はりまや橋周辺の再開発のことも高知市や商店街の皆様と一緒に検討をしていきたいと思います。また、西武跡地の開発では、現在土地を所有しています株式会社オーナーズ・ブレーンが商業施設の設置に向けまして、引き続きテナントの誘致を進めているとお聞きをしています。
私からは以上です。
(総務部長中澤卓史君登壇)
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◎総務部長(中澤卓史君) 桑名議員の御質問にお答えします。
まず、行政改革プランの財政面での進捗状況と今後の課題についてお尋ねがございました。平成17年に策定しました行政改革プランでは、職員数の削減や事務事業の抜本的な見直しに取り組むことで、平成22年度までに一般財源ベースでおよそ300億円の削減を図ることにしています。これまでのところ、平成18年度と19年度の2カ年で、職員の削減などにより45億円、補助制度などの見直しを含む事務事業の見直しにより69億円、合わせて114億円程度の削減が図られています。今後の課題ですが、行政改革プランの策定時には想定をしていませんでした、新たな地方公共団体の財政健全化法を踏まえながら財政運営を行っていく必要が生じたことでございます。これまで財政健全化に向けた各種の取り組みを進めてきましたが、今後見込まれます巨額の財源不足を解消するためには、さらに進んだ取り組みを行っていく必要がありますので、早急に幅広い検討をしていきます。
次に、予算面での雇用対策と財政改革の両立の取り組みについてお尋ねがございました。三位一体改革や歳出・歳入一体改革による一般財源の大幅な削減を受け、県の歳出全体を削減する必要がある中、普通建設事業費も年々抑制せざるを得ないのが実情でございます。本県のように公経済への依存度が高い地域では、普通建設事業費の減少は特に影響が大きいことから、できるだけ事業費の確保に努めますとともに、国に対しては必要な一般財源が確保されるよう強く訴えていきたいと考えています。一方、県内の雇用の場の確保に向けましては、以前のような公共事業による経済対策を行うことは困難ですが、全庁的な課題として雇用対策本部で種々の対策の検討を進めています。建設業については、離職者対策や、建設業界の再編や協業化、新分野への進出などへの支援に取り組んでいくことにしています。
次に、行政改革プランの検証と今後の取り組みについてお尋ねがございました。議員の御指摘のように、特に財政規模が縮小していく中にあっては事業の検証、改善は重要でありますので、行政改革プランの中でも、県民にとって有効で効率性の高い行政サービスを提供するため、絶えず県民の視点から評価をし、改善し続けていくという、いわゆるPDCAサイクルの考え方を示しまして事務事業の改善や取捨選択に取り組むことにしました。例えば、今進めています県業務のアウトソーシングでは、委託した業務の品質の確保と業務の目的に沿った効果を最大限に発揮することを目的として、本年度から品質管理の取り組みを始めましたし、試験研究機関においても研究の中間評価や外部の委員による研究成果の評価を行っております。
お話のありました公の施設の運営につきましても、民間などのノウハウや技術力の活用などの観点から見直しを行い、これまで南海学園などを民間に移管するとともに、美術館など34の施設では指定管理者制度を導入してきました。また、指定管理者制度を導入した施設では、施設の適正な管理の確保や利用者サービスの向上とともに、制度の改善にも資するよう施設の管理運営状況を評価する仕組みを設けました。行政改革プランそのものにつきましても、毎年目標に沿った進捗が図られているかどうかをチェックし、その結果を県のホームページで公表していますが、これまでのところほぼ計画に沿った取り組みができていると考えています。
今後とも、行政改革プランの考え方に沿って既存の事業の効果を検証しまして、御指摘のありましたような不十分な点は改善していきますとともに、新たに生じる行政課題にもそうした姿勢で取り組んでいきます。
最後に、厳しい財政状況や財政再建に向けた工程を県民の皆様に理解していただく取り組みについてお尋ねがございました。行政改革プランは、先ほども申し上げましたとおり、再建に向けた計画と毎年の実施状況をホームページなどで公表しています。また、最新の県の財政状況や財政改革の取り組みについては、随時、テレビや広報紙、ホームページなど各種の媒体を活用して紹介していますし、県民向けのわかりやすいパンフレットも作成して広報活動に努めています。今後も、財政状況はますます厳しくなることが見込まれますので、県民の皆様の御理解や御協力をいただくためにも、今まで以上に工夫して広報を行っていきたいと考えております。
以上でございます。
(農業振興部長川上泰君登壇)
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◎農業振興部長(川上泰君) 農業振興についての御質問にお答えをいたします。
まず、エメラルドメロンやてんたんの取り組みについてのお尋ねでございます。エメラルドメロンにつきましては、県も生産者、農業団体と一体になって防根透水シートによる栽培技術の研究を重ねまして、品質向上や販売促進に力を注ぐことにより、味、形状ともに高知県を代表するメロンのブランドとなっております。県では、メロンの高品質化を可能にする技術として、香我美地区や土佐市、春野町など他のメロン産地にもこの栽培方法の普及を図っております。
一方、土佐ブンタンにつきましては、その販売の歴史は生産者や生産者グループによる顧客販売から始まっておりまして、各産地における地域ブランド化が進んでいます。てんたんにつきましても、土佐市北原地域などのブンタン農家が農協と連携をいたしまして地域のブランド化を図り、独自の流通を開拓しようとして取り組んでいるものでございます。しかしながら、県全体のブンタンの生産量を考えますと、若齢木が成木になるに従いまして平成22年には現状の3割増しの1万3,000トンを超える生産量になることが予想されておりまして、現在の顧客販売を中心としました販売方法では限界が来ると考えております。そうした課題の解決を図るためには一般流通を開拓する流通戦略が求められておりまして、農協や園芸連が主体となって、香り、おいしさ、適度な果汁など土佐ブンタンのすぐれた特質をしっかりと消費者にPRして浸透させる具体的な流通対策を立案して、実行していくことが必要だと考えております。
県としましては、引き続き農業団体等と連携をとりながら、高品質果実の安定生産と消費拡大に向けた取り組みを積極的に支援してまいります。
次に、高知県産品の有利販売の方策についてのお尋ねでございます。本県の園芸品は、生産者と農協等農業団体がまとまりのある産地を形成いたしまして、高い技術とロットのまとまりや安定的かつ多品目にわたる供給力で、東京や大阪などの消費地において信頼関係を構築いたしまして、有利販売につなげてきました。しかしながら、生産者の高齢化や農協離れの進行などによりまして、産地としての力が低下をしてきております。この産地としての力を再構築していくためには、生産者と農業団体等が生産流通戦略を共有いたしまして、消費地の要請にこたえられる生産出荷体制を確立していく取り組みを進めていくことが重要でございます。こうした取り組みによりまして、分散化している産地をまとまりのある産地に転換を図ることで、産地としての力を再構築いたしまして市場の要請にこたえられる計画的な販売が可能になり、消費地との信頼関係が構築でき有利販売につなげることができると考えております。
また、知事からも申し上げましたとおり、環境保全型農業のトップランナーの地位を築くことによりまして、消費者に店頭で真っ先に手にとっていただける選ばれる産地となることが有利販売につながり、本県農業全体の利益につながるものと考えております。これらの取り組みを消費地に効果的に情報発信していくため、県と園芸連等で構成します園芸こうち販売促進事業実行委員会におきまして、大消費地での知事のトップセールスによるキャンペーン活動やテレビコマーシャルの放映を行うとともに、産地と流通関係者との交流や、生産者や普及指導員が消費地の小学校等に直接出向きまして環境保全型農業の取り組みなどをPRする出前授業を行うなど、高知の野菜と果実のイメージアップに取り組んでおります。
こうした取り組みに加えまして、生産者の所得向上につなげるため、有利販売の期待できる短根ゴボウや葉ニンニクなどの地域の特性に即した有望品目の導入、定着に向けた取り組みを進めております。県としましては、こうした取り組みを引き続き生産者、農業団体と一体になって進めていくことによりまして、県産品の有利販売と農家所得の向上につなげていきたいと考えております。
次に、農産物の輸出についてのお尋ねでございます。本県では平成17年度から農産物の輸出促進に取り組んでおりまして、対象品目、対象国、購買層や販売方法等、輸出の可能性の調査を進めます一方で、生産者組織が行う海外での展示会への出展やテスト輸出等の取り組みに対して支援を行っております。青果物では、台湾、シンガポールなどアジア諸国に対してのミョウガ、シシトウ、ブンタン、メロンなどの輸出がありますし、昨年は台湾の高級量販店で本県産のメロンフェアが開催されますなど取り組みの成果もあらわれてきております。また、花卉では高知市のグロリオサが、近年経済発展の著しい中国、上海へ輸出されております。海外事務所の活用につきましては、現地での県産品の販売状況や関係業者の調査といった日常的な情報交換はもとより、産地から出向いて行います販売促進活動への支援など幅広い連携を図っております。
農産物の輸出は、販売価格が流通コストや関税を反映した高価格となることを初め、鮮度保持対策や相手国の植物検疫上の制限など多くの課題がございます。また、信頼できるパートナーを得て、流通・販売ルートや代金回収のめどを立てた上での販売戦略を構築し、数量等の拡大を図っていくことが必要ですので、輸出を軌道に乗せるためには、産地として輸出に対する強い意志と熱意を持った息の長い取り組みが必要と考えております。輸出への挑戦はマーケットの拡大や産地の生産意欲の向上につながり、その実績を積み重ねることによって国内市場でも高い評価を得ることが期待できます。
県としましては、海外事務所とも一層連携を図りながら、必要な情報提供や農産物輸出促進事業費補助金などによりまして、引き続き支援をしてまいりますとともに、輸送コストが安価な船便でも輸出できる新たな鮮度保持技術の開発に国の研究資金を活用して取り組むこととしております。
私からは以上でございます。
(産業技術部長西本昌弘君登壇)
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◎産業技術部長(西本昌弘君) 農業振興についての御質問の中で、木質チップボイラー開発の進捗状況と普及に当たっての課題についてお尋ねがありました。
開発中の木質チップボイラーにつきましては、昨年度末に24時間の連続運転試験を行いましたが、燃焼室の耐久性やボイラー本体から重金属が溶け出して灰に混入するなどの問題があり、現在、燃焼室の材質を改良し、燃焼試験を継続しております。材質の改良の結果、耐久性については一定クリアできましたが、重金属の混入の問題につきましては、今月末に出る灰の分析結果によっては、新たな対応が必要となってまいります。また、普及に当たりましては、重金属の問題が解決できなかった場合は、灰を特別管理産業廃棄物として処理することが必要となること、最近の木材需給をめぐる国際情勢の変化などによりチップの価格が値上がりしていること、重油ボイラーに比べ高価となることなどの課題があります。こうした多くの課題はありますが、今後農家の方々に対しまして、想定されるボイラーの価格や燃料となるチップの価格などをお示しした上で御意見をお伺いし、普及の可能性を検討してまいります。
次に、低温管理をしても品質、収量の変わらないピーマンやシシトウなどの品種改良についてお尋ねがありました。県内の野菜栽培の加温温度は、シシトウが21度、ピーマンが19度程度であり、このような高温性の野菜では重油の使用量が多く農家経営への影響が極めて大きいことから、低温に強い品種の開発が求められております。農業技術センターでは、通常の栽培条件より低い温度でも果実が順調に発育する、低温に強い遺伝子を持ったピーマンを品種改良のための素材として選抜、保存してきました。この素材を用いて、平成17年度からはピーマンで、昨年度からはシシトウでの交配を行い、従来の品種に比べて3度程度低い温度で栽培できるピーマンとシシトウの品種の育成を進めております。生産現場で使用できる収量、品質を兼ね備えた実用品種として仕上げるには、通常5年から10年かかりますが、効率的な品種育成によりこの期間の短縮も目指して取り組んでまいります。
以上でございます。
(健康福祉部長畠中伸介君登壇)
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◎健康福祉部長(畠中伸介君) 少子化問題に対する県民運動としての意識づくりについてお尋ねがありました。
お話にもありましたように、少子化対策を進めていくためには、企業や地域など多くの皆様と連携した取り組みが重要です。そうした視点から、4月に策定しました少子化対策の基本的な方向に沿って、仕事と家庭の両立に向けた事業主などへの意識啓発や、企業や地域等と協働した子育て支援などの取り組みを通して、社会全体で子供を育てる意識づくりを進めていきます。本年度は、次世代育成支援企業認証制度を創設し、子育てをしやすい職場の環境づくりに取り組んでいる企業を認証してその取り組みを広くPRするとともに、企業がこうした制度を活用して仕事と家庭の両立支援の取り組みが進みますよう、県内の企業を訪問し事業主などの意識啓発を行っていきます。
また、子育て家庭応援事業では、店舗などの協力をいただき子育て家庭などへの商品割引などの優待サービスを提供し、企業や地域が子育て家庭を温かく応援していく雰囲気づくりを行います。そのほか、こどものひとこと宝物事業では、子育ての中で心に残った子供の一言を募集し、表彰やPRを行うことで、家庭を持ち子供を産み育てる喜びや楽しさを広めていきます。子供を産み育てやすい環境づくりを社会全体で進めていくためには、行政だけの取り組みではなく企業や県民の皆様と連携していくことが課題と考えていますので、さまざまな分野の方々で構成する推進組織を設置して、広がりのある県民運動となるよう取り組んでいきます。
次に、自主防災組織などへの要援護者の情報の扱い方や開示に向けた方法、進め方についてお尋ねがありました。県では、昨年度、障害のある人や高齢者など災害時に援護が必要な方々の地域での助け合いネットワークの仕組みづくりを進めていくため、災害時要援護者支援の手引きを作成しました。その手引では、要援護者台帳を整備するための情報収集の方法として、地域で本人の同意をもとに必要な情報を収集する同意方式や、みずから台帳への記載を希望する人の情報を収集する手上げ方式、行政が持っている情報を自主防災組織などと共有する関係機関共有方式など代表的な情報収集をお示ししています。
高齢者の介護度や障害の程度などの災害時に必要な要援護者の情報は、個人のプライバシーにかかわることですので、慎重な取り扱いが求められますし、中山間部と都市部とでは日ごろのつながりも異なっています。こうしたことから、既に住民の皆さんの間でさまざまな情報が共有されている中山間部では同意方式での台帳整備が可能と考えられますし、比較的近所づき合いが少ない都市部では手上げ方式や関係機関共有方式も活用するなど、それぞれの地域のコミュニティーの状況に応じた方法を選択することが大切であると考えています。
最後に、要援護者の情報の扱いに関して、市町村の個人情報保護条例の改正などに向けてアプローチを行うのかとのお尋ねがありました。平成18年3月に国が策定した災害時要援護者の避難支援ガイドラインでは、世論調査で、「防災、防犯のためであれば、個人情報を活用してもよい」と答えた人が全体のおよそ9割を占めていることもあり、関係機関共有方式の積極的な活用が提案されています。県内でも、都市部での要援護者の台帳づくりには関係機関共有方式を活用することが多いと想定されますが、要援護者の情報を行政の内部だけでなく自主防災組織や民生委員といった外部の方々と共有するためには、市町村の個人情報保護条例に基づく適切な取り扱いが求められます。
県内の多くの市町村の条例では、個人情報を本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になると認められるときや、個人情報保護審議会で特別の理由があると認められる場合に、個人情報を目的外に利用したり第三者に提供することができる規定となっています。こうした規定を円滑に運用するためには、関係者による情報の共有が不可欠であることを明確にすることを初め、情報を共有する関係者の範囲を限定することや情報を受ける側の守秘義務を確保すること、また情報の管理を徹底することといった対策を講じることが大切です。今後、県では市町村に災害時要援護者支援の手引きを活用した地域での支え合いの仕組みづくりについて説明会を実施しますので、その際に市町村の条例の適切な運用についてもあわせて周知をしてまいります。
以上でございます。
(観光部長浜口収君登壇)
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◎観光部長(浜口収君) 桑名議員の観光交流人口の拡大に向けた一連の御質問にお答えします。
まず、夜間の観光スポットの新たな設定や宿泊を伴う観光コースの設定についてどういう計画を持っているかとのお尋ねがありました。観光客の皆様に高知の魅力をより深く知っていただき、再び訪れたいと思っていただくためには、ゆっくりと滞在してもらって地域のよさや高知流のおもてなしを十分に体験していただくことが重要だと考えています。このため、これからの本県観光の取り組みとしては、県内各地域の個々の観光資源の魅力アップはもとより、地域の持つ食材や文化、体験観光の組み合わせ、また地域間の連携などによって、宿泊していただきながら県内くまなく楽しむことのできるコースの設定を行い、積極的に情報発信をしていきます。
また、こうしたコースの設定とともに、宿泊客の方々に満足していただくためには、本県では少ない夜の観光スポットづくりを進めていくことも大事ですので、今回補正予算をお願いしております高知城追手門のライトアップに合わせた夜のにぎわいづくりに取り組んでいくこととしております。さらに、新たな宿泊を伴うメニューづくりでは、全国に誇れる酒文化や土佐の食を売り出す「土佐のおきゃく」を県下全域に広げていくとともに、夜の観光の素材として県内各地でキャンドルアップやナイトウオーキングなどを行い、多くの観光客の皆様に滞在していただけますよう取り組んでまいります。
次に、花・人・土佐であい博の目標や経済波及効果についてお尋ねがありました。花・人・土佐であい博では、観光客の皆さんを四季折々の花でお出迎えすることはもとより、県内各地の特色ある食や自然、文化に肌で触れ、体験していただきながら、こだわりと真心を持った土佐流のおもてなしで、ゆったりと滞在していただくためのメニューを数多く用意していくことを主眼に置いております。こうしたメニューづくりを目指しまして、これまでに県内各地から地域の個性を生かしたおよそ60の提案を受けており、現在これらのブラッシュアップを進めていますが、こうしたメニューを観光客の皆さんにとっても魅力ある新しい観光商品に仕上げていくことで、観光ビジョンに掲げた平成21年における330万人の誘客という目標の実現に結びつけていきたいと考えています。
また、この目標を達成した場合の経済波及効果を、観光ビジョンの基準年次である平成16年と比較をしてみますと、約30万人の観光客の増加に伴う生産誘発額といたしましては、さまざまな要因にも左右をされますが、約104億円の増加が見込まれ、そのうち雇用者所得誘発額は約42億円と推計され、それはおよそ800人分相当の雇用創出効果が見込まれるとの計算もございます。
最後に、県民のおもてなしの意識を向上させるための具体的な取り組みについてお尋ねがありました。おもてなしは観光振興を進める上で重要な要素であるという議員のお考えに、私も同様の思いを持っています。観光客の皆さんに、高知に来てよかった、また訪れてみたいと思っていただける環境、すなわちおもてなしの体制づくりは、旅館やホテル、交通機関、観光施設の業務に携わる方々の接客マナーの向上や、わかりやすい観光案内標識の整備といったことはもとより、今お話にありましたように、観光客の方々に対する県民のあいさつや心休まる声かけなど、小さなことであっても好感を持って受けとめていただける取り組みを一つ一つ積み重ねることが大切だと思います。
このように、多岐にわたりますおもてなしの体制づくりを進めるために、それぞれの分野の方々に参画していただく高知県おもてなし県民会議を設置して、自分たちの分野のことは責任を持って実践行動に移していくことを基本に置いた、おもてなしのアクションプランを本年度中に策定し、県民運動として進めてまいります。また、こうした取り組みとあわせて、県内各地でこれからの観光資源として期待される地域の暮らしや文化を紹介する観光ガイドの養成を進めてまいりますし、子供たちに自分の生活している地域の個性やよさを学んでもらうことで、自分たちの地域を誇りに思い地域を大切にする心が芽生え、そのことが観光客の方々に対するおもてなしの心の醸成につながるものと考えますので、それらの点にも力を注いでまいります。
以上でございます。
(危機管理部長中村文雄君登壇)
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◎危機管理部長(中村文雄君) 防災対策についての御質問のうち、初めに自主防災組織の取り組みについてのお尋ねがありました。
次の南海地震での甚大な被害想定や阪神・淡路大震災の教訓などから、県では県民の命を守ることを最重点に置き、自助、共助を基軸とした南海地震対策を進めています。中でも、自助とあわせ地域の力で生き延びるための共助が重要となります。自主防災組織はまさにこうした共助の担い手となるかなめの組織であり、県内全域で自主防災組織が早期に立ち上がるよう、市町村とともに取り組みを進めています。自主防災組織の組織率は、既に100%に達する市町村が見られる一方で、高知市などの市街地域における組織化のおくれなどから、本年4月1日現在で津波浸水予想地域では50.8%、県内全域では47.1%となっています。この背景としては、次の南海地震では県内各地域で甚大な被害が発生することについてまだまだ県民の皆さんに十分には浸透していないことや、自主防災活動に対する住民の理解や参加の課題、あるいは市街化地域での地域共同体としての住民意識が希薄となってきたことなどが考えられます。
この5月には自主防災組織活動事例集を市町村に配付しましたが、引き続き市町村とともに先進的な取り組み事例の研究や自主防災組織の育成課題などについて協議をしていくとともに、未組織地域における講習会の開催や、みんなで備える防災総合補助金により自主防災組織の立ち上げを積極的に支援していきます。
次に、地域の安全・安心を進めていく上で防犯と防災を一緒に取り組むことについてのお尋ねがありました。県内の各地域では、PTA、子供会、町内会、青少年育成協議会などその目的によりさまざまな組織が結成をされ活動されていますが、こうした組織にとっても、地域で安全で安心して暮らしていくための環境づくりも一つの共通課題ではないかと思います。それぞれの組織が持っている情報を共有し合い組織間で連携していくことやそうした取り組みを継続していくこと、さらにはより多くの地域の皆様の理解や協力、参加によってその環境づくりが実現していくものと考えます。
お話にもありましたように、特に災害への備えや防犯に取り組む活動は、こうした視点で日常的に地域の組織でともに取り組むことにより、その活動の広がりや継続性、さらには地域のコミュニティー活性化の点からも効果的と思います。数は多くはありませんが、県内ではこれまで、学校や社会福祉協議会など他の団体と連携して防犯活動に取り組んでいる自主防災組織に、国の地域安心安全ステーション整備モデル事業を活用し、防災資機材の整備などに取り組んだ事例もあります。今後も、こうした制度の活用はもとより、地域でさまざまな視点で取り組んでいます先進事例を庁内で情報共有するとともに、市町村へ情報提供を行うなど自主防災組織の活動が幅広い取り組みとなるよう支援していきます。
以上でございます。
(文化環境部長長瀬順一君登壇)
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◎文化環境部長(長瀬順一君) 犯罪のない安全安心まちづくり条例の観点から、防災と防犯を一緒に考えて取り組むことについてのお尋ねがございました。
安全で安心なまちづくりを進めるためには、みずからの力で地域を守るという共通の理念を持ちます自主防災組織と防犯活動団体が互いに連携し合うことは重要であります。このことは安全安心まちづくり条例にも盛り込まれておりますし、既に県内の一部の地域では両団体が一体となった防災訓練や防犯パトロールなどの取り組みが始まっております。こうした取り組みは、各団体の強化と活性化につながるとともに、安全で安心して暮らせる社会を実現するためにも効果的だと思います。現在、地域で防犯活動に取り組んでいただいている団体には、タウンポリスやPTAなどさまざまな組織がございます。今後は、市町村と協力をいたしまして、これらの団体間の連携を強化するとともに防災面での情報を積極的に提供するなど、防災と防犯との連携を進めまして自主防災組織の取り組みを支援してまいります。
以上でございます。
(土木部長宮崎利博君登壇)
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◎土木部長(宮崎利博君) 防災対策に関連して、安くて効果のある耐震改修工法の研究など今後の取り組みについてのお尋ねがありました。
県内には数多くの旧耐震基準の木造住宅がありますが、耐震診断や改修は十分に進んでおらず、県と市町村の補助による耐震診断や改修のこれまでの実績は、診断が昨年度までの4年間でおよそ3,800棟、改修については先ほど西森議員にお答えしましたとおり1年半で73棟にとどまっています。また、改修の平均工事費は約270万円になっています。耐震改修が十分に進んでいない原因としましては、南海地震に対する県民の危機感、切迫感がまだ希薄であることに加え、改修工事費が一定必要なため補助金を差し引いても自己負担が相当額必要となることなどが影響していると考えています。
このため、安価で信頼性の高い改修工法について取り組みが進んでいる他県での改修事例や、高知工科大と民間企業との共同研究の成果などの情報収集を積極的に行うとともに、それらの新技術について建築業者への講習会等を実施して、その紹介、普及を進め、実際の耐震改修工事での実施に結びつけていただくよう支援するなど、できるだけ安く効果的な改修が行われるよう、これまで以上に力を入れて取り組んでいきます。
(商工労働部長秋元厚志君登壇)
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◎商工労働部長(秋元厚志君) 地域の商店街の活性化と地域中小企業応援ファンドについての質問にお答えいたします。
まず、地域商店街の活性化に向けての支援についてお尋ねがありました。御指摘のとおり、地域の商店街の活性化にはそれぞれの店舗での魅力アップや自助努力が必要でありますので、これまで商工会や商工会議所を通じまして、地域の意欲ある商業者の経営改善や新しい分野への事業展開に対する支援に取り組んできました。今年度は、こうした取り組みを一層強化いたしますために、県も商工会連合会などとチームを組み直接地域に出向いて支援を行うこととしています。また、商店街の活性化に向けて、地域で取り組まれる空き店舗対策や移動販売事業などに対しまして、中山間地域等商業振興総合支援事業を活用した支援を行ってきました。お話にもありましたように、商店街の活性化は地域の経済や住民の生活に結びつく重要な課題ですので、今後とも積極的に取り組んでいきます。
次に、地域中小企業応援ファンドについてお尋ねがありました。このファンドは、昨日大石議員にもお答えいたしましたように、産業振興ビジョンを実効性のあるものにしていくための助成事業を行うものですので、必要な運用益を得るため100億円の規模といたしました。ファンドを造成した後に資金の積み増しを行い規模を拡大することは可能ですが、中小企業基盤整備機構からの貸付金を除く20%は、県を初めといたします地元で負担する必要があります。ファンドの造成に参加をいただきました金融機関の皆様には、県内の中小企業を元気にするというこのファンドの趣旨に御理解をいただいた上で、厳しい状況の中御協力をいただいていますので、県の体力などを考えますと100億円の造成が限度であると考えています。
以上でございます。
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◆1番(桑名龍吾君) 再質問を行わしていただきます。
知事にお聞きいたします。先ほど、行政改革プランについて総務部長にお聞きしましたが、ちょっと知事の方に御質問をしたいと思います。行政改革プランではすべての事業の見直しもするというようなことも入っておりますが、今回の女子大の池キャンパス統合の件もこれに当たるのか。
また、これは知事が発言しておりますけれども、財政悪化で統合中止もあり得るというような発言がありました。見直しも、あるいは断念もあり得るということになろうかと思いますが、そういった状況の中、補正予算案を提出するのもいかがなものかと思っております。この女子大だけではなくて、このほかにも老朽化の進む県立図書館や県立病院などの改修などもあろうかと思います。要は、優先順位をどうつけるかということでございますけれども、今回の女子大の件は、この財政が悪化するならば取りやめになるのか。そのときに、先ほども言いましたが補正予算をそれなのにつけていくのかというところをお聞きしたいと思います。平成21年4月の開学スケジュールを、ことしの秋の状況を見きわめてやっても遅くはないと思いますけれども、いかがでございましょう。
それと、これは要望でございますけれども、道州制についてでございます。昨日も大石議員の質問に答えていただきましたが、どうも知事の発言は地方から声を上げていくといった意気込みが感じられません。現在取り組んでいます市町村合併も、本来なら市町村が中心とした議論になることを知事も望んでいると思います。今回は立場変わって、道州制はこちらが巻き込まれやすい立場になるわけでございます。知事は、同じように国が主導で議論をしておりますふるさと納税には、提案説明の中で反対意見を述べましたが、本来ならば財政力が全国でも最低の我が県ではあえて発言することもなかったと思うところでございます。この問題は、地方消費税や、また法人2税のあり方というもの、そしてまた地方交付税の確保というものをしっかり訴えていけば、高知県の生き死にに係るような問題ではなかったと思います。
しかし、道州制は高知県が埋没するのか否かの重要な問題です。巻き込むのか、巻き込まれるのかで、同じ道州制にしても違った方向が出てくるはずです。賛否を問わずに地方主導の議論というものを高知県の方から上げてもらいたいと思っておりますし、また今後知事においては四国知事会や中四国の知事のリーダーとして、この道州制を地方からの声として上げていただきたいというのが、これは要望でございます。
次に、土木部長に耐震化についてお聞きをいたします。先ほどの安価で強い耐震改修工法の研究は、ぜひ成果を上げていただきたいものでございます。それと、現在は評点1.0以上でないと助成の対象にはなりません、やはり、先ほど私も言いましたが、1.0以上の改修には費用がかかるわけでございます。そこで、どうにか命だけは助かるという評点0.8でも対象になるような要件緩和というものはできないものでしょうか。特に、南海地震や東海地震の被害も予想される徳島県や和歌山県、東京都墨田区などでも要件緩和がなされております。要は、1人でも多くの人の命を助けるのがこの事業だと思いますけれども、その点について土木部長にお伺いをいたします。
そしてもう一点、商工労働部長に先ほどの中小企業応援ファンドについてお聞きいたします。100億円以上は難しいということですが、また善処願いたいと思います。それと、お聞きするのは産業育成ということでございます。主に製造業の2次産業というのが中心になると思いますが、1次産業や、また先ほど私も言いましたが、商業というものは高知県においても大きな産業になるわけでございます。そういった面につきましても、1次産業、2次産業、3次産業が使えるような事業にしていただきたいというふうに思っております。
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◎知事(橋本大二郎君) 桑名議員の再質問にお答えをいたします。
まず、行政改革プランにいう事業の見直しの中に女子大学、県立大学の改革も含まれているのかとのことでございますが、行政改革プランにいう事業の見直しの中には女子大学の見直しということは具体的には含まれておりません。この事業につきましては、先ほどもお答えをいたしましたように、平成15年の1月に検討委員会を設けて以来、長い議論を積み重ねてまいりましたし、その都度議会にもその進みぐあいについて御報告をしてまいりました。また、県民の皆様にもそうした御報告をしてまいりました。そういうことを踏まえました上で、大学側と意見の一致を見た部分について、設計等の予算をお認めいただいて準備作業を進めております。また、21年4月ということも、県議会にも県民の皆様方にもお約束をしながら進めている計画でございます。ですから、今の現状の中でこの計画をおろしてしまう、それだけの緊急性がある事態ではございませんので、この補正予算をお願いしております。
また、21年4月を前提にした場合に、この6月議会でなくてもいいのではないかという御質問がございましたが、21年4月の開学ということを、新しい開学ということを前提にした場合には今議会で補正予算を通していただく必要があるというふうに判断をいたしましたので、今議会に議案として提出をしております。財政改革ということを考えるときに、いろんな事業との中で優先順位を考えていくということは当然のことでございますが、そういう優先順位のさまざまな議論の中で、平成15年1月からの積み重ねでこうした経過をたどっているわけでございますから、その経過と議会に御説明をしてきたことをきちんとやはり守りながら仕事をしていくのが私たちの務めではないかというふうに思います。
それから、道州制について地方から声を上げていくという姿勢が必要ではないかという御質問がございました。そのとおりでございます。ふるさと納税について反対というか、基本的に筋が違うのではないかということを申し上げているのも、まさに地方からの声を上げていくということであって、こうしたことに、それでも何がしかのものが来るからいいではないかという形で流されていくとすれば、そのことが地方への本格的な税源移譲の議論をおくらしていってしまう、つまり分権改革の流れというものを弱いものにしてしまって、道州制などについての議論でも国に押し切られるという状況をつくるのではないかと、私は思っています。ですから、こうしたことにもきちんと自分の考えは申し上げていきたいと思っています。
また、道州制について先ほども申し上げましたように、四国4県でも検討会を設けて2年にわたって議論を続けておりますし、今後も4県の職員を中心にしてその議論は続けていきます。また、そうした中で地方からのあるべき形というものも、きちんと国に意見としては上げていきたいと考えています。
私からは以上でございます。
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◎土木部長(宮崎利博君) 耐震診断の総合評点でございますけれども、これは0.7未満というのは倒壊する可能性が高いということで、0.7から1.0の間がこれでもまだ倒壊する可能性があるということでございます。1を超すと一応倒壊しないということになっておりまして、1.5以上になりますと倒壊しないという、こういう評価でございます。やはり、人命を守るという視点でいきますと、1.0以上の評点がとれるような改修にしてほしいと、特に公費を投入するわけでございますから、やはり1.0以上ということの要件は守っていきたいと考えております。
今までの73戸の改修費を整理してみますと、費用の大小は必ずしもその改修前の評点とは関係せずに、むしろ個々の住宅の形状とか壁の位置、基礎の状態などが大きく影響していると考えております。ただ、西森議員にもお答えしましたように、耐震化率を90%以上にするというのは今の取り組みのままでは困難だと考えております。ですから、今後も柔軟な発想でいろんな方法を考えながら取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
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