10月1日に本会議にて一般質問をおこないました。

知事の政治姿勢

(桑名)
麻生内閣が誕生し、構造改革路線から地方重視の政策へと転換が図られようとしているが、そのことに対する思いと、新内閣への期待について聞く。
(知事)
財政再建は重要だと思うが、他方、経済の状況に極めて厳しいものがある時は、柔軟な姿勢を持つことが経済の傷を小さく抑え、また、結果として財政再建にも望ましいものと考える。国民の生活を守る緊急総合対策の着実な実行をはじめ、地方の実情を踏まえたタイムリーな財政出動を盛り込んだ経済対策に取り組んでもらいたい。

(桑名)
衆議院議員選挙が行われるのであれば、何が争点と考えるか。また、争点となって欲しいものは何か。
(知事)
景気や雇用の問題、医療制度や年金の社会保障問題、輸入食品や食品偽装など食の安全などが争点になるだろう。また、地方の振興なくして国の発展はあり得ない。少子高齢化にどう対応して、国や地方の形をどう作っていくのか、地方の振興をどう考えるのか注目している。

(桑名)
高知に戻って1年が経過するが、選挙で訴えた5つの約束は1年を振り返ってどこまで進んでいるのか。また、手ごたえはどうか、併せて聞く。
(知事)
公約の実現にむけて、職員一丸となって取り組んでいる。特に、「産業別・地域別の振興計画」は、来年度の予算編成作業に間にあうよう11月初旬に中間とりまとめを行う。これにより、基幹産業の強みをのばす本格的な対策を進めることが出来ると考える。常に、「県民の皆様のために」との姿勢を忘れないよう基本政策の実現に取り組んでいく。

(桑名)
県民サービスの確保と財政の健全化を掲げ、アクセルとブレーキを踏みながら県政運営に取り組んでいるが、その調整は知事の手腕にかかっている。来年度当初予算の編成に向けてどのような考え方で進めているのか。
(知事)
21年度当初予算は、財政健全化と県民サービスの確保を図りながら財政運営を行っていく。産業振興に関わることでやるべきことはしっかりと予算計上していく。他方、職員定数の削減や財政健全化に向けた事務事業の抜本的な見直しを行う。アクセルとブレーキをバランス良く使い分け両立を図っていく。


未収金の回収について

(桑名)
県立病院では、19年度は、1億6千万円の未収金があり、不能欠損見込件数1158件、5千100万円となっている。時効の援用がない限り不納欠損処理を行っていないが、平成19年度末の不納欠損見込額をどう処理するのか。
(公営企業局長)
本年度内に会計上の手続きとして、回収が困難となった未収金を資産から取り除く、不納欠損処分を行うこととしている。しかし、処分を行った場合でも、県による債権放の手続きを取らない限りは、債権債務の関係は消滅しない。したがって、処分を行った未収金については簿外で引き続き適切な管理を行うこととしている。

(桑名)
時効が5年から3年に早まったことでスピード感を持った処理が必要であり、未収金対策を民間委託することも選択肢の一つと考えるが、所見を聞く。また、現在の体制で未収金を回収するのであれば、どのような方法で回収率を向上させるのか、併せて聞く。  
(公営企業局長)
未収金を発生させないことが基本であるが、現実的には、発生した未収金をいかに早期に回収するかが大きなポイントである。民間委託は、すでに他県でも実施しており、メリット、デメリットを検討していく。現体制での対策強化は、ワーキンググループを立ち上げ、一連の業務フローを定めた対応マニュアルの見直し作業を現在進めている。

(桑名)
病院事業だけでなく、県の未収金も一般会計で42億円、うち県税では21億円にのぼる。
行政サービスも一つの商品であり、財政状況が厳しい本県が未収金の回収に対する強い意志を示すためにも、今後は、民間委託や未収金の情報を一元化して組織的に対応すべきと考えるが所見を聞く。
(総務部長)
税源移譲により地方税の徴収は極めて大きな課題である。民間委託や組織的対応など、来年度の組織改編を検討する中で前向きに検討していきたい。


文化施設の指定管理者の選定について


(桑名)
指定管理者制度の導入は、住民ニーズに効果的・効率的に対応するため、民間のノウハウを活用してサービスの向上やコストの低減を図ることが目的であるが、これまで県立の文化施設に制度を導入した結果、どのような成果があったのか。
(文化環境部長)
多様化するニーズに応えるべく、魅力ある企画展を開催し評価を得ている。入場者数、利用料金収入とも年々増加している。また、経費の削減も着実に図られている。このように、指定管理者制度を導入したことで様々な成果を残している。

(桑名)
競争原理が働かない中で、次の5年間、高知県文化財団と共にどのような戦略性を持った企画運営をしていくのか。また、どのような考えの下で直指定をしようとしているのか、併せて聞く。
(文化環境部長)
地域に根ざした公共性の高い役割、高い専門性、長期的な視点での運営を行う必要があるので直指定をする。次の5年間は、専門性を発揮した資料の収集や保存、教育普及事業の充実、旅行業者とタイアップをして交流人口の拡大を図るなど、県民の期待に応えていく所存だ。


少子化・子育て対策について

(桑名)
県議会の「少子化対策・子育て支援特別委員会」の中間報告を受けて、今後どのように取り組むのか。また、実行できるものは、速やかに来年度予算で対応して実効性を高める必要があると考えるが、報告の感想も含めて、所見を聞く。
(知事)
少子化問題は、これまで以上に積極的に取り組んでいかなければならない県政課題だと認識している。少子化対策推進本部を開催し、各部局が現状と課題を再整理し分析した上、効果的な対策を検討するよう指示を出したところだ。21年度予算編成の中で少子化対策を検討していく。また、県だけでなく、市町村や高知県少子化対策県民会議など民間団体とも連携を図っていく。


健康福祉対策について

(桑名)
特別養護老人ホームのユニット化が進められているが、ユニット型の個室のみでは、低所得の方や多床室を好む方の入所の選択肢がなくなる。現在、第4期の介護保険事業支援計画を策定しているが、特別養護老人ホームの整備について、今後どのように対応するのか。
(健康福祉部長)
本県では、低所得の入所者が多く、居住費が負担となっていることから多床室を望む声があることも承知している。今後は、一律に個室ユニット型ということではなく、地域の実情に応じて一部多床室を確保することなども、第4期計画の策定にあわせて検討する必要があると考える。

(桑名)
歯と健康、歯と長寿の観点から、歯科保険対策について所見を聞く。
(健康福祉部長)
歯と口の健康は、健康長寿県づくりを進めていく上で大変重要な課題だ。また、歯周病は糖尿病を悪化させるなど生活習慣病と密接な関係があることも明らかになっている。特定検診では、県独自で歯周病に関するチェック項目を設け指導していく。歯と口の健康を守る取り組みを市町村、県歯科医師会と協力をして進めていく。

(桑名)
高知県歯科医師会の歯科保険センターが、高知市の総合あんしんセンターに統合移転するが、傷害児者に対する診療という県の政策医療を担っていることを踏まえ、歯科診療施設の整備計画や費用負担に対して、行政がもっと積極的な取り組みを行うべきと考えるが、所見を聞く。
(健康福祉部長)
歯科保健センターの診療実績は増加しており同センターにおける歯科診療の充実を図ることは県としても重要なことだと考えている。歯科医師、医療スタッフの確保や費用負担のあり方などの課題は、県歯科医師会、高知市と協議をしながら対応していく。


農業問題について

(桑名)
燃油高騰への対策として、7月補正予算で1億円の緊急対策を講じたが、時期の問題から6割程度の実績しかなく、また、国で新たに設けられた対策も、用件が厳しく使い勝手が悪いと聞く。今後、これらの補助金を有効活用するためにどのように取り組むのか。 
(農業振興部長)
国の事業は、施工できる時期が遅かったことや、募集期間の短さ、栽培管理の共同化など事業採択要件からも一部の品目・地域に限られていた。本年度は、まだ施工が可能な生産者に対して補助率が有利な国の事業を活用し、申請の手続きが速やかに出来るよう支援していく。

(桑名)
木質バイオマスボイラーやヒートポンプ、電気加温機などの重油に代わる暖房の開発が急務となっている。県が早急に検証試験を行い、普及に努めるべきと考えるが、現在の検証状況と普及に関する情報を聞く。
(農業振興部長)
木質バイオマスボイラーは、早期に実用化が図れるよう実証試験への支援を行っている。また、農業技術センターでは、ヒートポンプと重油ボイラーを併用したハイブリット暖房と既存の重油ボイラーとの比較試験に取り組んでいる。導入事例を検討評価して性能と実用性が確認された機器については、国の補助事業を導入するなど速やかに産地への普及を図っていく。

(桑名)
農家の省エネ対策に対する支援を数年間続け、全ての農家が省エネ型に転換できれば、コストの軽減が図られ、競争力のある農家づくりにつながる。緊急対策としてではなく、続けて省エネに対する事業を実施すべきと考えるが、所見を聞く。
(知事)
本県農業で省エネ対策を進め、ハウス栽培を省エネルギー型に転換していくことは現在の危機的状況を乗り越え、さらには産地の維持にもつながる重要な課題である。ハード面では、施設への支援を、ソフト面では、耐低温性品目の開発などをおこなう。こうして、足腰の強い農家を育て、競争力のある産地づくりを目指していく。

(桑名)
青果物燃料サーチャージ導入には、消費者の理解や独占禁止法の問題など農業団体のみで乗り切ることは難しく、県や国の支援が必要と考えるが、サーチャージの考え方についての所見を聞く。
(知事)
燃料サーチャージは、市場で価格が決定し産地や栽培方法によって再生産価格が異なるため価格決定が難しい側面がある。また、通常流通との価格バランスの問題や、消費者や量販店が、他産地や他品目を選択する可能性など課題が多いと認識している。この危機を乗り切るにはサーチャージの選択ではなく、省エネ対策などコスト削減と高い品質と収量で生産コストを吸収していきたい。

(要望)
今後、電気を利用した暖房機器が普及した場合に、農家が夏場にあまり使用しないという実態に合わせた基本料金の設定について、県から電力会社に要望することも検討していただきたい。


南海地震対策について


(桑名)
長引く避難所生活による精神的な要因やエコノミー症候群などの間接的な要因で亡くなる方々への対策をどのように考えているのか。
(健康福祉部長)
災害時に保健師等が直ちに効果的な保健活動を行うことが出来るよう「高知県自然災害時保健活動ガイドライン」を作成し各市町村に配布している。また、本年度は、避難所における不自由な生活やストレスをできる限り軽減できるよう避難所運営のマニュアルを作成している。間接死亡の減少に繋がるよう積極的に市町村を支援していく。

(桑名)
各市町村が自力で災害ボランティアセンターを設置できるよう、平成21年度までの3年間に15市町村で研修などを実施することとしているが、その後も事業を継続する計画があるのか。  
(健康福祉部長)
災害ボランティアコーディネーターの育成を積極的に進めていく。19年度から21年度は15市町村で体制づくりを実施する。今後は、この事業を継続して24年度内には全市町村をカバー出来るよう計画的に実施していく。

(桑名)
今後、災害ボランティアセンターの立ち上げや活動に欠かせない、中心となる人材をどのように育成していくのか。
(健康福祉部長)
災害ボランティアコーディネーター実践講座を開催する。コーディネーターに求められる知識やノウハウの習得を目的として、被災地で活躍した第一線級の経験者を講師に招き、演習スタイルのプログラムで開催する。単なる座学ではないものにしたい。

(桑名)
阪神淡路大震災も含め、それ以降発生した地震は、偶然であったとしても休日や祝日に集中している。今後、勤務時間外の地震災害への対応はどうしていくのか。
(危機管理部長)
「南海地震応急対策活動計画」の策定に取り組んでいる。特に、時間外に発生した場合の迅速な対応については、職員参集などの課題を抽出し、考えた方を整理したうえで、計画の中で示していく。

(桑名)
地震だけではなく、新型インフルエンザをはじめ、鳥インフルエンザや硫化水素など危機管理の必要性がさらに高まっている。2月県議会で質問した県庁の24時間体制づくりについて、その後の検討状況はどうなっているか。
(危機管理部長)
情報の自動伝達などにより、庁内はもとより県警本部、市町村、消防と直接幹部が連絡をとれる仕組みがある。今後の24時間体制は、通信施設の確保など、その機能が整う、本庁舎の耐震化を目途として実施に向け取り組む。この間は、危機管理部の幹部が、県庁の近くに居住するなど新たな仕組みを検討する。


観光振興について


(桑名)
昨年「高知県おもてなし県民会議」を設置し、2年後には満足度80パーセントを目指して取り組んでいるが、1年半経過して「おもてなしの心」がどこまで浸透しているのか。  
(観光部長)
現時点では、総じて目標の満足度80%には達していない。一挙に満足度のレベルをあげることの難しさ改めて痛感している。今後は、アンケートの内容をさらに分析して、関係業界や広く企業、県民の方の協力を得て粘り強く取り組んでいく。

(桑名)
「龍馬伝」を一過性のブームとして終わらせることなく、本県の観光の中心とするためには、今年度末に廃止が予定される「花・人・土佐であい博推進課」を「龍馬課」として新たにスタートさせ、本腰を入れて取り組むべきと考えるが、所見を聞く。
(知事)
「であい博」で培ったノウハウや事業、人的なつながりを「龍馬伝」の取り組みに継承していく。「龍馬伝」の取り組みを契機に、本県観光の成長戦略である滞在型・体験型観光の推進につなげることが必要であるので、それに相応しい新しい組織の設置を検討していく。

(桑名)
原宿の「スーパーよさこい」で、今年度から本県のブースが半減されたのは、これまで高知県の物産展であったためと主催者がコメントしているが、これまでの取り組みについて聞く。
(観光部長)
主催者側からの要望と、本県側の予算上の制約から「よさこい広場」見直しが行われた。来年度以降は、本県の出店のあり方も含めて原宿表参道元気祭実行委員会と協議を行い、PRできるブースの拡大を目指すとともに、より一層の効果が発揮できるよう努めていく。

(桑名)
100万人が集まる「スーパーよさこい」の中で、県の予算を有効に活用すれば大きな成果が得られると考えるが、「スーパーよさこい」をどのように本県への誘客につなげるのか。
(観光部長)
本県の良さをアピールできる絶好の機会である。高知の物産や観光などの情報を発信するアンテナショップ的な場として活用していく。本県のファンを更に増やし誘客の増加につなげていきたい。

(桑名)
県庁よさこいチームの復活と知事のよさこいに対する思いを聞く。
(知事)
よさこい祭りに関する様々な課題への対応を進めるうえで、県庁チームの復活が、県としての役割を果たすための効果的な方策であるか、これまでの経過も踏まえながら検討してみたい。私は、機会があれば、是非踊ってみたい。

(最後に一言)
米沢藩主上杉鷹山が、改革を成功させたのは、改革の理論や方法もさることながら、彼の心が民の心に入っていったことが大きな要因である。その心というものは、親の心であり、優しさの中に厳しさが、厳しさの中に優しさがあるというものである。鷹山は、このような歌を残してる。「受けつぎて、国の司の身となれば、忘るまじきは、民の父、母」と。知事はまだ41歳で、県民の父や母になることに、遠慮もあるだろうが、鷹山は17歳の時この歌を詠んでいる。知事は、既に父、母になれる素養もあり、また、なっていただかなければならない。その気持ちを持ち続ければ必ず県民にも心が通じ、産業振興計画も県政改革も必ず成し遂げれるものと信じる。