平成23年3月7日、高知県議会予算委員会にて質問を行いました。(要旨抜粋)
◆学校給食の普及について
●桑名
学校給食について。そもそも学校給食というものは各市町村が主体となって取り組むものですが、今の高知県の実施率、また県も何らかの支援というものをしていかなければならないと考えます。現在の公立小学校、 そして公立中学校の完全給食実施率というものをお聞きします。

■教育長
平成23年3月1日現在、小学校が89.9%、 中学校が61.2%の実施率になっています。

●桑名
これは全国最低の数字です。全国の平均が98.7%。 中学校においては、下から7番目の実施率です。中学校において、ほかの四国は徳島県は89校中1校が給食がない学校です。そして、香川県は74校中2校、そして愛媛県は141校中1校、これが未実施の学校です。高知県においては116校中45校がまだ給食がないという数字が出ていますが、この低い率というものを教育長はどのようにお考えになりますか。

■教育長
小学校は小規模校があり実施しづらい学校もあろうかと思いますが、 やはり小学校も全国に比べれば低い。それから、特に中学校はワースト7位とはいいながら、むしろそちらのほうがもっと問題があるのではないか、もっと上げなければならない、高知県は低いと感じております。

●桑名
なぜ高知県が全国、 そしてまた四国の中でもこのような低い状況になったのかということを、教育長にお聞きいたします。

■教育長
1つは、 市町村の財政状況があろうかと思います。 それからもう一つは、 実施に当たり、保護者、児童生徒、教職員等にアンケートをとったりしていますが、なかなか一つの方向性が出ていないといった実態があり、そうしたものを市町村で総合的に判断した結果が現在の状況ではないかと思っております。

●桑名
それぞれの理由があるにせよ、この給食の時間というものも教育の時間の範疇に入ると思いますが、それはいかがでございますか。

■教育長
もちろん食育ということで大事です。 単にその期間だけの子供たちの食事、栄養ということだけではなくて、将来にわたって大人になってからにも影響していくような重要な食育ですから、食育をするには給食のほうがよりいいのではないかと思っております。

●桑名
給食ならば全国に先駆けて採用した栄養教諭、また学校栄養職員がいて、先ほど出ました食育という教育ができると思いますが、 給食を実施していない学校というのは、この時間はだれが何を教えている時間になるのでしょうか。

■教育長
給食があれば栄養教諭が必ず張りつきます。 給食がなければそれが義務化されていませんから、そういう場合には保健体育の授業とか総合学習の時間でその補完、いわゆる食育をしておるということになります。

●桑名
食育だけでなくて、やはり学校に登校して下校するまで、これはすべてが教育の時間になって、そういった意味からもこの昼食の時間というものも、しっかり教育の時間であるということをやはり認識をしなければいけないと思います。
お弁当を持ってくる子、そしてまたコンビニでパンを買ってくる子、そして何もない子、さまざまいると思いますが、そういった子供たちにやはり平等な教育を与えるというのは、これが義務教育の務めではないかと思います。 再度御所見をお聞きいたします。

■教育長
学校給食法の第4条で、 「義務教育諸学校の設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならない。」というふうに規定をされておりますから、県教育委員会としても、できるだけ学校給食をやっていただきたいと考えています。

●桑名
ますます学校給食の必要性は高まってきたところですが、保護者のほうも給食を望む声は大変高くなっております。 高知新聞にも出ておりましたが、 南国市の5,244名の署名を集めて学校給食をしてもらいたいという声、そしてまた以前も安芸市で未実施の中学校で、保護者に聞いたら9割近くの方がこの給食を望むというアンケートに答えているわけです。そういった中、弁当が親子の絆であると、絆を結ぶというような弁当愛情論というものもありますが、市町村がもし財政上の問題で給食の実施が困難になるおそれが出てきたときに、 今後県としてはこの給食センターをつくるに当たっての財政上の支援は、やるつもりはありますでしょうか。

■教育長
現在、給食センターの建物については、国の基準額、2分の1の国からの交付金がございます。ただ、調理器具だとかといったもの、それからどうしても超過負担傾向になっておるのも事実です。それからもう一つは、運営費に対しては国からの助成がございません。こうしたものを考えたときに、学校給食を普及させるにはどういった支援が一番効果的なのか、私は県教育委員会としても前向きにこれはとらえていかなければならないのではないかと現在思っております。

●桑名委員
南国市が昨年来からいろいろな検討会も実施をして、ただ給食をするに至るところまでは結論が出なかったということで再度この署名が上がってきたところです。南国市が給食センターという問題を抱えて今検討しているわけですので、 そういったところの相談とか支援というものも真摯に聞いていただきたいと思いますが、再度御答弁お願いします。

■教育長
地域にはそれぞれ地域の実情、 それから市町村の状況があろうかと思います。 こうしたものを十分にお聞きして、私どももどういったことが一番いいのか、 研究して前向きに考えていきたいと考えております。

●桑名
私もこの学校給食の問題をいろいろ学校に行って聞いたり、また保護者の人に聞いたりするにつけて本当につらい部分も聞いてくるところです。 お昼の時間になるとお弁当を広げるのではなくて、教科書を読んでいる子がいる。また、おなかがすいて校庭で水を飲んでいる子もいるということも聞いております。そしてまた、お弁当を持ってきている子もあけてみたらおかずがなくてお弁当を隠しながら食べている子、こういう子がさまざまいるんですね。 完全実施の給食をしている市町村のところでこの間聞いても、月に1回お弁当の日がありますが、そのお弁当の日になると必ず休む子がいる。 それはだれが休ますかといったら、親がお弁当を持たすことができないから今日は休みなさい、そういった現状も現実にあるのですね。
確かに弁当が親子の愛情を結ぶというのもあるかもしれませんが、これはお弁当を持ってこられる子の話であって、行政というものは、お弁当を持ってこられない、そしてまたそういった親をこれから教育しようと思ってもなかなか時間もかかるし、できるもんじゃない。そういった子供たちをしっかりと救っていくというのが私は行政の務めだと思っております。私は、小学校は3つの県で育って、 中学校は1つだったのですが、すべて完全給食の学校で育ちました。その弁当愛情論で言うならば、私は愛情がなかったのかといえば、今でも親の愛情というのはしっかり感じていますし、給食で育ったからこんな男になったということは言われたこともございませんし、それはどこか陰で言われているかもしれませんが、給食が悪いということは何にも感じていないところです。 また、知事も今、学力向上、体力向上、これは絶対やらなくてはいけないし、経済的なことに逃げ込んではいけないと思いますが、やはりその前に子供たちにしっかりとした食事をとってもらう。せめて昼食だけでも同じものを食べてもらうということが、 私は政治の務めだと思いますが、知事はどうお考えでしょうか。

■知事
学校給食、これを充実させていくこと、これによっていわゆる知育、徳育、体育すべてにいい影響が及ぶのだと、そのように思います。 例えば日本一の健康長寿県構想、さらにうまく仕組みをつくることで地産地消の推進とかそういうことにもつながっていく、いろいろなよい効果をもたらすことではないかなと、そのように思わせていただいております。 学校給食をもっともっと普及さしていくという方向に向けて具体的にどういうことができるか、他方どういう課題があるかっていうようなことについて、前向きに進めていくという観点からちょっと積極的に検討、 真剣に検討さしていただきたいと、そのように考えておるところでございます。

●桑名
大阪府は7%台で全国最低で、橋下知事はそれに憤りを感じて、もう大阪府は完全給食をするんだということで5年間で250億円の予算を計上して、やると。そして 民主党の地方議員の皆さんも、 統一地方選挙は大阪府の完全実施を目指すということで大きな旗を立てていると報道されております。 尾ア知事も今定例会の初日に2期目の出馬表明をされましたが、 学校給食を完全実施というか一つでもふやしていく、 実施校をふやしていくといったことを公約に入れるぐらいの心づもりはあるのか、 もう一度心意気を、 意気込みをお聞かせいただきたいと思います。

■知事
公約については、これからおいおいいろいろ考えていかなければならんというふうに思っていますが、ただもう間違いなく私はこれは前に向かっていくベクトルにあるんだと、そのように思っております。ちょっと真剣にいろいろ関係部局と前向きな形での議論をひとつさしていただきたい、検討さしていただきたいと、そのように思っています。

●桑名 最後に、 学校給食法では、給食は子供の心身の健全な発達に資すると同時に食に関する理解を養う上で重要であると位置づけられておりますし、また小中学校の設置者は学校給食が実施されるよう努めなければならないと求めているところです。 特に県立中学校なんかも一貫校であるわけですが、やはりこういった観点からも県立中学校でもこの給食というものをしっかりと考えていって、そしてまた市町村をどんどん引っ張っていっていただきたいなと望むところです。 全国で、小学校ではもう100%近く、そして中学校では80%近く実施しているということは、もうこれは国民生活の最低保障だというふうに私は考えておりますので、 ぜひそういった観点から学校給食というものを推進していただければと思うところです。

◆児童虐待対策について
●桑名
児童虐待について。平成20年、南国市で虐待を受けて死亡した事件以来、児童虐待に対する体制というものは大変強化をされ、評価するところです。尾ア知事がこの本会議場で声を詰まらせて、もう二度とこの児童虐待で亡くなる子供たち、 また児童虐待を受ける子供たちを少しでも少なくするのだという声を本当に思い出すところです。その後、体制は強化をされておりますが、しかし残念なことにこの児童虐待の事案というものは高止まりの状況にあります。昨年は155件という対応件数があったところです。また、ことしの1月には幼児3人にろうそくを垂らすというような本当につらい事件が起こりました。 虐待にしてもDVにしてもいじめにしても、この根源は一緒だと思います。 自分が受けてきたことがいつの間にか当たり前になって、大人になってまた同じことを繰り返してしまう。DVにおいても、自分が見ていたお父さんとお母さん、いつもお母さんが、どっちがやっているかわかりませんが、暴力を受けている。 それが普通の家庭であるといったことで、またそれを受け入れてしまうというような連鎖というものが起こってくると思います。しかし、この連鎖というものをどっかで断ち切らないことには、この問題というのはやっぱり解決をしないと思います。 そしたら教育で連鎖を断ち切るのかといっても、それだけでは難しいと思いますが、しかし教育というものがなければこの連鎖というものも断ち切ることができないというふうに考えます。虐待とかDVとかいじめとかの、こういったようなものの連鎖を断ち切るための教育というものはどういったことをすればいいのか。教育委員長に御所見をお聞きいたします。

■教育委員長
虐待を受けながら続く世代間連鎖につきましては三、 四割あると、こういうふうに言われています。逆に考えれば6割、7割はそういうものが防げているというふうに考えていけばいいんじゃないかと思います。その防げる状態というのは相談できる相手を見つけてそれで心のチェンジができてきていると、そういう場合にやはり教育の果たす役割は非常に大きいと考えております。それで、虐待の連鎖を断ち切るためには、やはり学校の教職員というのは常に子供の表情を見ておりますので、そういう表情の中で変化を見つけるという力をつけるということもありますし、それから子供自身にやはり自分で防ぐという力をつけていくと、相談できる人を見つけて自分で防ぐという力をつけていくということ。 それからまた虐待について、 そういうものはだめだということを環境づくりしていく啓発活動も必要ですし、また育児によるストレス、そういったものから虐待に走るということもありますので幼稚園、保育園、また関係機関との相談体制づくりということも必要だと思います。いずれにしても、教育の場でできるのは、虐待を許さないという社会をつくるために、やはり子供たちの自尊感情を育てるとかということもあります。それから虐待を受けるのは愛情に飢えているわけですね、そうすると相手の立場に立って考えられる状況ではないと思いますが、そういう相手の立場に立って物を考えられるような気持ちを育てるとか、そういったものを人権教育、 あるいは道徳教育を通じて育てていくことが非常に大事でないかと考えております。

●桑名
相手の立場に立って考えるということ、これは人権教育、道徳教育だと思いますし、 私はやはり道徳教育が必要ではないかと思っています。人間というものは、私などもそうですが、成長の過程では右へ行ったり左へ行ったり、また前へ行ったり後ろへ行ったりする。でも、どこかに戻るところがあるから横に外れても戻るところに戻ってくる。 それをいつの時点で気づくかは、さまざまでしょう。しかし、今の世の中を見ますとどこに戻ったらいいのかわからないという、それが教えられていないからもう右へ行ったら右のほうへ行って、外れたら外れっ放しになる。戻る場所がどこか、これからの子供たちもそうですし、今の社会がそういったところに混迷をしているのではないかと思っております。 ですから、これから我々が生きていくために何が必要なのかとか、人間として何をしなければならないのかをしっかり道徳教育の中で教えていただきたいと思います。道徳教育が今高知県でどのような状況になっているのかは、先般中内議員のときに教育長が詳しくお話をいただきましたので、今回はあえて質問いたしませんが、しっかりと道徳教育で戻るべき道というか、人としてあるべき道をぜひ教えていただき、こういったことがないようにお願いを申し上げたいと思います。それで、児童虐待、これに対応するためには早く気づくことが一番大切だと思います。 その中で学校医による健康診断や歯科診断は、その予兆を見つけるためには絶好の大変いい機会だと思います。学校医である医師、歯科医師との連携は、今高知県の学校内でしっかりとれているのか、教育長にお伺いいたします。

■教育長
南国市で起きた児童虐待を受けて、平成20年度に県教育委員会でも児童虐待対応マニュアルを作成して、それを使用して教職員を対象に研修会を実施しております。そうした中で、定期健康診断あるいは歯科診断のときに、医師と連携しながら児童虐待の早期発見を意識して対応することにしております。ただ、それが十分かといえば、まだまだ細かいところではもっと意識をいろんなところに持っていき、早期発見につながるようにもっとこのレベル、質を上げていかなければならないのではと考えておるところです。

●桑名
不十分ながらも連携をとっているということですが、学校医からこの子は虐待を受けているんじゃないだろうかというような報告は、これまでにあったのでしょうか。

■教育長
対応マニュアルをつくりました平成20年度以降は、そうした医師、歯科医師からの報告は上がってきていません。

●桑名
ないというのは、学校医のお医者さん、歯科医師の人たちに、この虐待というところの意識がやはりまだまだすり込まれていないというふうに感じます。 特に虐待を受けている子というのは虫歯が多いというふうに、これももう研究の中で調査されておりますし、大体3年も4年も虫歯を放置されていること自体が虐待になるし、これは育児放棄の何物でもないわけですので、こういったところはしっかりと医師と歯科医師、学校医との連携をとっていただきたいと思います。特にアメリカでは、虐待問題に歯科医師が加わることによって、児童虐待や育児放棄を早期に発見でき、 子供たちを保護する能力が高められているというような報告もされておるところです。特に4月からは新学期が始まります。ぜひ子供の発育を確かめるとともに、もう一つは虐待という視点からもしっかりと見ていきたいと思います。逆に学校側から、この子は虐待を受けているかもしれないという予兆があれば、特別にまた診てもらうようオーダーすることも必要だと思いますが、教育長いかがでしょうか。

■教育長
まず、報告がないから虐待がないとは絶対に思ってはいけない。報告がないから我々のシステムがうまく機能しているかどうか疑わなければならない、こういう姿勢で臨んでいかなければならないと思っています。今お話がありましたように、それぞれの子供たちにかかわるものが気づきのアンテナを高くして、 疑いがあればすぐに対応する、 こういった小まめな対応が必要ではないかと考えております。

●桑名
今までは学校医との連携でしたが、 これは地域においても同様のことが言えると思います。各地域の医師そしてまた歯科医師と、市町村というのは連携をとってこの虐待問題に取り組まれているのか、今の状況をお聞きいたします。

■地域福祉部長
児童虐待の防止等に関する法律の中に、医師や学校の教員など児童虐待を発見しやすい立場にある方は、虐待の早期発見に協力をするということとされております、 御案内のことだと思いますが。そういった中で、治療の際に虐待が疑われる場合には、市町村や児童相談所に通告をこれまでもいただいております。昨年度、児童相談所の虐待通告270件の中で11件が医療機関からの通告でしたし、ことしもこの2月末までに同じく11件医療機関からの通告をいただいております。要保護児童対策地域協議会というのが34市町村すべてに設置されております。その法定の協議会の中に医師会、 あるいは地域の病院、診療所、そういった医療機関に26市町村で参加をいただいています。 また、お話のありました歯科医師会、あるいは歯科医院で参加をいただいているのが3市町ございます。そういった状況でまだまだ十分ではございませんが、地域の中で医師会、 歯科医師会へのそういった協力を要請している状況です。

●桑名
各市町村もこの医師、歯科医師との連携を取り組むように進んでおるところですが、先ほどありましたように要保護児童対策地域協議会、これに医師も歯科医師もどちらも入っていないところもまだありますし、特に歯科医師の参加が少ないように思います。歯科医師会とも話をしましたが、積極的に参加したいということですので、これも市町村が主体となって取り組むことであろうと思いますが、県のほうからも助言をして、 支援なり協力要請をお願いするところです。
 次に、今度は虐待が起こって、さあどのように子供を保護するか、そしてまた対応するかといったときにどうしても警察の力というものが必要だと思います。他県においてはこの児童相談所に警察官を配置したり、警察官のOBを雇い入れるところも出てきておりますが、高知県ではまだ警察官が児童相談所に入るということは聞いておりません。警察との連携と、今後警察官を配置するとか、OBを雇い入れるというような計画はあるのでしょうか。

■地域福祉部長
子供の安全確保を最優先にした対応を行うためには、お話のありましたように、ケースによりましては警察との連携が大切となります。このため、保護者の抵抗が予想される例えば子供の一時保護、あるいは虐待の告知、面接そういった場合にはこれまでも各警察署に援助、協力の要請を行っておりまして、警察官の同行あるいは周辺での待機、そういった協力をいただいております。特に南国市の死亡事件以降、虐待ケースについてはどの警察署も迅速かつ積極的に御協力をいただいているのが現状です。その上に日ごろから児童相談所と警察署の連絡会議なども行っており、 具体の虐待ケースについて協議を行うなど情報の共有と連携強化に努めているところです。お話のありました警察官のOBの配置等ですが、この4月から中央児童相談所に2名の警察官のOBを配置して、保護者への虐待告知、あるいは職権による一時保護、ケースワーカーと同行していただいて現場での対応、あるいは各警察署との連携強化、そういったことに取り組んでいくようにしております。

●桑名
警察との連携、そしてまた警察OBを雇い入れるということでございます。 また、各児相にも将来的に配置ができるような体制をとっていただきたいということで要望をしておきます。 そして、平成23年2月版の日本一の健康長寿県構想の中で、虐待事案の大半を占める高知市の中学校区で地域支援者会議を立ち上げようとしておりますね。 22年度が2校区、23年度が3校区を計画しております。高知市には19の中学校の校区がありますが、この全体19校区全部に地域支援者会議というものを立ち上げる計画は達成のめどが立っているのでしょうか。

■地域福祉部長
地域支援者会議は 高知市の要保護児童対策地域協議会が進行管理を行うケースが500件前後と非常に多いものですから、中学校区単位で個々のケースの進行管理を充実するという目的で設置を始めたところです。 21年度は三里地区、 22年度は一宮地区を加えて2地区で実施されております。高知市では、今後も他の中学校区、お話のあった19校区へ順次取り組みを広げる予定ですが、ただ担当部署の体制が限られる中で、緊急あるいは重篤なケースへの日ごろの対応もありますので、直ちに全19校区での実施は難しい状況であるとお聞きしております。ただ、来年度はさらに体制を充実されまして、実施地区を4地区にふやすとお聞きしております。そういった中で、県としても今年度、中央児童相談所において高知市の職員の実地研修を行いましたし、さらに来年度は人事交流も高知市とで予定をしております。そういったことで、高知市の専門性向上に支援をしていきたいと考えております。高知市の体制の充実、専門性の向上の取り組みを重ねることで、できるだけ早い時期に全中学校区で地域支援者会議が開催できますよう、県としても支援をしていきたいと考えております。

●桑名
ぜひこういったものは校区というか、高知市内一円で取り組むことが大切だと思います。財政上の問題ではなくて人的な問題ならば、積極的に人事交流等を行って早目に全校区でこの会議を立ち上げていただきたいと思いますのでよろしくお頼みを申し上げます。

◆警察学校の大量退校者問題について
●桑名
警察官の初任科生は採用されてから大卒だと6カ月、 高卒だと10カ月、初任科生として訓練、研修を受けるわけですが、その人たちが最近大量に退職をしている。この6カ月の間に退職をしているという事実をお聞きしたことがあります。最近のこの初任科生の退職者数についてお聞きいたします。

■警察本部長
警察学校では、採用区分により6カ月なり10カ月、全寮制のもとで警察官として必要な教養を行っているところです。過去5年間の入校者と退職者の人数ですが、平成18年度が68名中2名、平成19年度が79名中5名、平成20年度は81名中9名、平成21年度は62名中3名、平成22年度は79名中14名となっており、平成21年度を除くと入校中の退職者数が増加傾向となっているところです。また、過去5年間の初任科生の退職者数の割合の平均は8.9%となっております。

●桑名
平成15年、16年、17年はそれぞれ1名ずつだったのですね。18年が2名、19年が5名、20年が9名ですが、実は19年、20年で5名、9名やめたこの時点で、これは増加傾向に入ってきたと認識しなければならないと思います。 そのとき県警本部ではこれがどういった問題でやめていく原因になったのか、 またやめさせないためにはどういう対応をするのかは検討されたのですか。

■警察本部長
初任科生の退職理由については、警察官に向かないとか、 学校生活になじめない、あるいは他の公務員を希望するといったものがさまざまで、やはり集団生活に適応できない、忍耐力に欠け我慢し続けることが苦手といった現代の若者の特徴ですとか、 最近の経済不況による安易な公務員志向、 または大量退職、 大量採用による影響といったものが考えられるところです。警察としましては、 やはり難関である採用試験を突破して警察官の道を選んだ人たちですので、全員に卒業してもらいたいという思いはあるわけですが、 やはり警察官として一人前に育てるためには、 必要な基礎的な知識とか技能の習得とともに真に職責を自覚させて使命感を培うという教養も必要で、 ある程度の厳しさを持った訓練とか、 学校生活に耐えてもらうということは必要だと考えているところです。 そこで、対策としては、やはり採用前にあらかじめ採用後の生活状況といったものを十分理解していただくとともに、無用の不安などを少しでも取り除くということを目的として事前の説明会を行っておりますし、警察学校の施設とか、 術科の訓練、さらには授業風景の見学、先輩学生との意見交換などを取り入れてさまざまな工夫をしているところです。また、警察学校に入校した後も、保健師による心の健康をテーマとした講義とか、個々面接といったものを実施したり、メンタルヘルス対策にも力を入れているところで、体力面、学力面に劣る学生には教官が補講を行うと、そういった対策もとっているところです。 何といっても、 新規採用の警察官をしっかり戦力化できるかどうかがやはり県警察の将来を左右する重要な課題ですから、次代を担う警察官を確実に育成して、組織の人的基盤を強固なものにすることによって、県民から負託された治安責任を全うしたいと考えております。

●桑名
私は、警察学校での研修の問題だと思います。これは、採用時にそういったことに耐える人を見抜けなかったところに私は問題があろうかと思います。それでは、 採用時、試験官は警察官を採用するときに何を主眼に評価しているのか。人事委員会とそして警察本部、両方で採用の面接をするみたいですが、まず人事委員長、お願いいたします。

■人事委員長
どういうふうに見抜くかと、口述試験についてのお尋ねかと思いますけれども、 警察官の試験全般にも若干触れさしていただく中でお答えさしていただきたいと思います。 警察官の採用試験は体力試験でございますとか身体精密検査など他の職種にはない固有の種目も加えまして、 警察官の特性を踏まえた内容で実施をしてございます。お尋ねの件につきましては口述試験ということになろうと思いますけれども、1次試験合格者に対する2次試験として実施をしてございまして、警察官の場合、人事委員会と任命権者である県警のほうで2つに分けて行ってございます。人事委員会の行う面接では、公平性、公正性や奉仕の精神、使命感、正義感、あるいは高知県への思い、公務員全体の認識がどうかといったような主に公務員に共通をします基本的な資質を見るということで実施をしてございますし、任命権者の行う面接では、警察官に求められる能力や適性を主に評価するという役割分担をしながら、警察官の特性を踏まえて多面的に評価をするという姿勢で実施をしてございます。なお、この口述試験、非常に私どもはこれを重視してございまして、平成22年度から先ほど申しましたようなねらいをより明確にすべく、試験員の用いる評定表の見直し改善を行ったところでございます。

■警察本部長
この警察官採用試験のうちの口述試験につきましては、先ほどお話もありましたように、 警察官が人事委員会の試験員とともに集団討論や個別面接などを実施しているところでございます。この口述試験の中で、警察といたしましては受験者が本当に警察官としてふさわしい資質や能力、適性を有する人物かどうか、やる気や情熱、将来性や期待度はどうか、また、集団生活や規律正しい生活に適応できるかなどということを見せてもらいまして、県警察の次代を担う警察官としてふさわしい人材かどうかを総合的に評定しているというところでございます。

●桑名
退職者がふえるということは、次の年の配置人員の問題もあり、組織運営に影響を及ぼしますし、それが県民の安心や安全というものにも影響をしてきますので、これからは退職者を出さないというよりは、出ないような子をしっかりと選ぶ目というものをさらに強化し、磨き上げていただきたいと思います。私もいろんな子供たちを見まして、警察官になりたくて2回、3回落ちたけれどもう一回チャンスを持ちたいとか、またある友人の子供さんは、高知県警はだめだったけれども、どうしてもなりたいということで愛媛県警を受けたら愛媛県警は通って、今ではトップクラスで卒業したというような例もあって、やっぱり見抜く力というものがなければ、本当に入りたい子供たちが入れないというような状況になっているということもしっかり認識をしていただきたいというふうに思います。

◆警察官の武道指導枠について
●桑名
武道指導枠について、剣道で1人採るとか、柔道で1人採るということですが、今までは剣道1人、柔道1人で採っておりましたけれども、昨年は武道枠が1人というふうに減少いたしました。そしたらどんな問題が起こっているかといいますと、例えば高知県の剣道、柔道をやる高校生、大学生は、ここで1番になったら晴れて警察官になれるのだということで、みんな競ってくるのです。でも、剣道で私は1番になったんだけれども、柔道の人が採用になったら、何のために剣道で頑張ってきたんだと目標を失っているということを去年の採用試験以降聞いております。受けたところ、柔道で1番になっても剣道が採用されるんであったら、 私の目指すものは一体何なんだということが、この両方の武道界で聞こえてくるところですが、警察本部長の御見解をお聞きいたします。

■警察本部長
警察官の武道指導枠の採用試験につきましては、 現場警察官の執行力を向上させるために、 柔道や剣道の術科技能を有する優秀な指導者が必要でありますことから、 平成13年度から実施しているところでございます。この武道指導枠で採用しました警察官につきましては、警察学校を卒業した後、警察署に配属いたしまして、基本的な仕事を学んだ後に機動隊に配属して、剣道、柔道の指定選手としてみずからの技能向上を図ることはもとより、指導者として日々鍛錬を積んでいるところでございます。そういう意味で、将来指導者として活躍することが期待されているわけでございます。こういった将来的なことを考えまして、剣道、柔道の指定選手の枠組みといったものを考慮した上で採用を図っていく必要があるということで、今後そのようにできる限り、将来のことも考えながら採用枠を考えていきたいというふうに考えています。


3月7日