平成23年9月27日 高知県議会本会議にて代表質問を行いました。(要旨抜粋)
◆前文
■桑名
先月富士山に登ってきた。 本来ならば、 6月に御逝去された山本広明先輩と一緒に登ろうと計画をしていたが、 それもかなわず残念のきわみである。 山本先輩の思いをしっかりと背負いながら、 一歩一歩歩みを進めてきた。
富士登山は7回目となりるが、なぜ富士山に登るのですかとよく問われる。 御来光の美しさや満天の星空なども大きな魅力ではあるが、 人間がかなわない自然の力の大きさや恐ろしさを体験するため、 また一方では、 どんなに大きな山であっても着実に一歩を踏み出せば、 いつかは征服できるという人間の力を知るために登っている。
現代人は、 これまで余りにも自然の持っている力を無視し、 人間の力を過信し過ぎたのではないか。 そのことが東日本大震災の被害をさらに大きくしてしまったと思う。 まさしく国難であり、 早急に復興を図らなければならない。 しかし、今回の災害は日本人に忘れかけていたものを呼び起こしてくれた。それは自己犠牲という言葉である。 今回の警察、消防、自衛隊の活動は絶賛された。国民は彼らの何に感動をしたのか。根本にあるのは、みずからの危険を顧みず人を助けるという自己犠牲の姿に感銘を受けたものと私は信じる。特に地元の警察、消防、自衛隊の皆さんがみずから被災をしているにもかかわらず、また家族の安否もわからないまま、応急・復旧作業に取り組む姿に私は涙が止まらなかった。我々は、警察、消防、自衛隊の皆さんに日ごろから国民を守っていただいていることに感謝をし、彼らの精神の支えとなっている名誉と誇りを授けなければならない。そうすることで、権利と義務を履き違え、自分さえよければよいという日本国の力を衰えさせてきた価値観を今こそ捨て去らなければならないと感じる。
今まさに日本が変わろうとしている。人間の持っている崇高な精神や技術を生かしつつ、 しかし自然の前では常に謙虚であることが、これからの政治や行政を進める上での要諦であると思う。

◆知事の政治姿勢
■桑名
震災復興や原発事故の収束、円高デフレ対策、 社会保障と税の一体改革など、一刻の猶予もない課題が山積されている中、野田内閣が発足した。 民主党での代表選挙における野田氏のドジョウ演説は、自民党の党員である私も好感が持て、鳩山・菅内閣よりは期待が持てると感じたところである。しかし、その後の党人事、閣僚人事を見るにつけ、党内の内紛を解決することにきゅうきゅうとするだけで、一体この内閣はだれに向かって政治を行おうとしているのか、理念や政策が伝わってこない。また、今回の民主党の代表選挙はたった3日間の日程であり、候補者の政策を十分に理解する暇もなく、 また国会議員で決めてしまうという異例の代表選挙であった。これで国民の声はどう反映されたのか。今回の代表選挙について、「だれがなっても期待できない。 賞味期限は2週間」、「本音を言えば勝手にやってくれ」という、これは決して私が言っているわけではなく、地元の民主党議員や党員の声も報道をされている。他党ながら、民主党地方議員や党員の皆さんの心中をお察するころでありる。。
 民主党政権は、2年前の総選挙で、子ども手当、高速道路の無料化、高校授業料無償化、農家への戸別所得補償制度と、いわゆるばらまき4Kを実施すると訴えて発足した。 しかし、この8月にはその4大マニフェストも廃止や見直しをすることで自民、 公明両党と合意をしたところである。このことは、マニフェストの破綻を民主党がみずから認めたことを意味している。さらに、内閣が不完全だからといった発言、防衛大臣の私は素人ですから云々の発言が飛び出すような政権に、この国難を乗り切れるとは到底考えられない。東日本の復旧・復興を第一としながらも、民主党みずからが掲げたマニフェストが破綻し国民との約束が果たせなくなった以上、解散総選挙を行い、国民に信を問うことが民主主義のルールと私は強く訴える。
さて、知事は高知県知事として自民党政権から民主党政権の変わり目を体験してきたところであるが、まず福田・麻生自民党政権と鳩山・菅民主党政権についてそれぞれどう評価をするのか、お聞きしたい。あわせて、野田新政権に高知県の知事として何を望むのか、お聞きします。

●知事
福田・麻生自民党政権におきましては、 経済の外的ショックに伴う景気の大幅な低迷や社会のセーフティーネットに対する国民の不安が広がる中、 速やかに経済対策を実施し、 とりわけ地方重視の姿勢から、 地方交付税の大幅な増額や基金事業の活用などといった面において、 地方経済への配慮がなされましたことは評価されるべきだと考えております。 ただ、 自民党みずからも総括しておられますように、 その時点までにおいては地域の意向を十分に吸い上げられなかった面もあったものと考えております。

 一方、 政治主導を掲げて発足した鳩山・菅民主党政権におきましては、 国と地方の協議の場の法制化などに見られました地方分権の推進に向けた取り組みや、 社会保障と税の一体改革の取り組みに一歩を踏み出されましたことは評価されるものと受けとめておりますが、一部において政策の決定過程から官僚を排除し、 結果として正確な情報に基づく政治判断ができない状況に陥ったことが国政の混乱を招いたものと考えておるところであります。このたび発足いたしました野田新政権は、 東日本大震災からの復旧・復興や深刻な円高への対応、 あるいは社会保障と税の一体改革などといった早急に解決しなければならない数多くの課題に直面しています。 新政権におかれましては、 最後の決断は政治が行いつつも、 その前段では官僚の持つ情報、 経験と能力をうまく使いこなす、 また地方に影響を及ぼす政策決定を行う際には、 法制化された国と地方の協議の場を活用するなど、 地方の意見を十分に反映するといった真の意味での政治主導を早急に確立していただき、 この国の将来のあり方をしっかりと見通した上で課題の解決に向けた道筋を明確に示され、 スピード感を持って実行に移していかれることを期待しておるところでございます。この点、 新内閣におかれましては、 本格的な政治主導の確立に向け、 政務三役と官僚が相互に情報共有と意思疎通を図りながら持てる力を最大限に発揮し、 政府全体通して一体となって政策運営に取り組むことを基本方針として閣議決定されておりますので、今後の動向を見守ってまいりたい、そのように考えておる次第であります。


■桑名
知事は、就任以来4年間、高知県勢浮揚のため邁進されてきた。 産業振興計画、 日本一の健康長寿県構想、 教育振興基本計画など我々高知県人が目指す方向を明確に示し、 着実に実行をしてきたことは大きな功績であると思う。 このことにより、 活力ある高知県の構築に向けて、 県民のモチベーションも大いに高まってきたことを私自身肌で感じている。 これまで、 知事は就任以来各年に、 足固めの年、 実行元年、 挑戦の年、 正念場の年と銘打って政策を進めてこられた。これまでを振り返って、 知事となることを決意し高知空港におり立ったときの思いと現在の心境をお聞きする。 この4年間をどう総括し、 今後どのような高知県をつくっていくのか、 知事の決意をあわせてお聞きいたします。


●知事
高知空港に約4年前におり立たさせていただきましたときの思いということで申し上げさせていただきますれば、 何といいましても、 武者震いのする思いでございました。 ただ、 一定の考えは持ちつつも、 極めて厳しい高知県の窮状に対し破綻寸前の財政状態の中で立ち向かっていかなければならないことに対し、 言い得ぬ緊張感を覚えたことも事実でございます。
今4年間の取り組みを通じまして、 高知の抱える根本的な課題に対してどう立ち向かうのか、 道は見えてまいりました。 4年間の取り組みを通じて新しい芽も育ってくるようになって、 より大きな絵もかけるようになってきたと、 そのように考えておるところでございます。 この道を突き進み、 さらに新しい、 より大きな道を切り開いていきたい、 そういう静かな闘志に満ち満ちているというのが今の心境でございます。
私は知事に就任させていただいて以来、 ふるさと高知に活力を取り戻したいとの強い思いから、 対話と実行を県政運営の基本の基本として、 積年の根本的な課題に真正面から取り組む、 官民協働型の県政の推進、 県庁の政策立案と実行能力の強化、 対外的な政策発信力の強化といった5つの基本姿勢の考え方のもと、 経済の活性化や子育て支援と教育の充実、 日本一の健康長寿県づくり、 県民の安全・安心の確保、 インフラの充実と有効活用といった5つの基本政策に持てる力を振り絞り全力で取り組んでまいりました。 この間、 多くの方々に大いにお知恵と力を賜ったことに心から感謝を申し上げます。 また、 厳しい職務に耐えて本当に頑張ってくださった多くの県庁職員の皆さんにも心から感謝いたしております。そういった中で、 産業振興計画の取り組みでは、 地産外商公社を中心とする外商機会の飛躍的な増加などといったことや、 観光の面では、 昨年の土佐・龍馬であい博の開催を通じて400万人観光、 1,000億円産業の実現という目標を達成することができました。
また、 日本一の健康長寿県構想につきましては、 あったかふれあいセンターの設置を中心とする高知型福祉の取り組みも進んでまいりましたし、 教育の充実に向けた取り組みにつきましては、 全国学力・体力テストの結果が改善傾向を示すなど、 徐々にではありますがさまざまな取り組みの成果があらわれ始めてまいりました。 あわせて、 本県の政策発信力の強化といったことにつきましては、 国に強く訴えてまいりました国と地方の協議の場が法制化をされ実際に動き出しますなど、 一定達成感と充実感を覚えるものがございます。
しかしながら、 県勢の浮揚に向けましては、 まだまだ多くのことが道半ばであります。 引き続き粘り強く取り組みを続けていかなければならない課題や、 この4年間挑戦を続けてきたからこそ見えてきた新たな課題も山積しておりますことから、 まずは残された任期の間、 引き続き本県の抱えます課題に真正面から挑戦してまいりたい、 そのように考えております。
人口の減少と高齢化の進展に伴う本県が抱えます課題は、 いずれ他県においても直面する課題であることにかんがみますれば、 この課題に対する解決策を真っ先に導き出した県となることができれば、 全国の県から最も希望を持たれる県となるものと考えております。さらには、 世界情勢を見ましても、 インドや中国の経済発展に伴い、 近い将来、 食料やエネルギーが世界的に不足し、 食料自給率の向上やエネルギー自給率の向上に向けた流れが加速化するものと見られますが、 これは本県にとって大いなる追い風となるものと考えております。 この時代の流れをうまく生かせば、 この高知県が全国にとって必要不可欠な食料と新エネルギーの供給県となることも可能だと考えております。
このように、 時代の大きな流れに本県のありようをうまくセットし、 時代の最先端に位置づけるようにたゆまぬ努力を続ける、 こうした取り組みを通じて県勢の大いなる浮揚を図りたいと、そのように考えているところであります。次の4年間におきましても、県民の皆様のお許しを賜ることができるのであれば、 県民の皆様が将来に希望を持ち、安心して暮らし続けていただける、全国の皆様があこがれる希望のある県づくりに向けまして、 引き続き職員の先頭に立って仕事をさせていただきたいと考えております。


■桑名
十河副知事。 知事とともに県政運営に取り組んで1期目の任期が終わろうとしています。 副知事は就任当時、 これからの4年間、 どんな思いで仕事をされるのかとの質問に、 「知事と私は20歳違い、 能力においては、 ましていわんや大きな格差がございます。 トップスピードで走る知事に並走する力はありません。 しかし、 知事の背中を見てきちっと見失わない程度の距離感を持ってついていき、 時々おくれている職員がいたら、 おい知事は右へ曲がったぞと後方支援をしていくのが私の務めであります」 との名答弁を残しております。
知事は、この4年間トップスピードで走り続けてこられましたが、 副知事はちゃんと知事の背中は見えていたのか、いやいや背中どころか並走してきたのか、 御自身の4年間の御感想をお聞きいたします。また副知事は、溝淵、 中内、 橋本、 尾ア知事と4人の知事にお仕えされました。 尾ア県政のこの4年間を見て、 何がこれまでと違うのか、 また職員の意識や仕事ぶりはどう変化をしたのか、 あわせてお聞きをいたします。

●副知事
知事は練り上げた政策をトップスピードで実行するばかりではなく、一たん立ちどまってPDCAサイクルを回すとともに、 関係部局長会議等を通じて政策の方向性や仕事の進め方を県庁職員と共有するなど、 アクセルとブレーキを使い分けることでだれもが知事の背中を見失うことなく、 職員は知事と同じ方向を見て仕事を進めていくことができました。 そうした知事のリーダーシップとそれを受けた職員の頑張り、 そして多くの県民の皆様の御協力のおかげで県勢浮揚への足がかりが整ってきたのではないかというふうに考えております。
しかし一方で、 県勢浮揚に向けましてはまだまだ多くの課題が山積しております。
さらに、 南海地震対策の抜本強化など新たに浮かび上がった課題もございます。 引き続き、 知事をトップに県庁職員が正面からこれらの諸課題に全力で取り組んでいかなければならないというふうに考えております。
次に、これまで4人の知事に仕えてきた者として尾ア県政の4年間を見て、何がこれまでと違うのか、 また職員の意識や仕事ぶりの変化についてですが、まず、 尾ア県政の特徴といたしましては、 何といっても積年の根本的な課題に逃げずに真正面から取り組んだ、 挑戦したということではないかと思っております。
元気がなくなってきている県政の抜本的な課題を徹底的に分析し、 そしてその課題を解決するための5W1Hをはっきりさせた具体的な施策を盛り込んだ産業振興計画を初め、各種の計画を策定いたしました。
計画の策定の過程では、対話と実行の基本姿勢のもと、多くの県民の皆様から座談会などで御意見をお聞きしその意見を計画に反映させるとともに、 計画づくりには市町村や関係団体の皆様にも加わっていただくなど、県民の皆様との対話、市町村や民間の皆様との協働を意識し実践した点も特徴の一つであります。
また、計画の実行段階ではPDCAサイクルを回して実効性を担保するなど常に成果を意識している点や、さらには国の政策に県の実情を反映させるために立案段階からの政策を打ち込むことによって、 県の政策の推進や財政の健全化に成果を上げている点などではないかというふうに考えております。
職員の意識や仕事ぶりにつきましては、知事は機会あるごとに職員に対し、今申し上げました県政運営の基本となる姿勢や考え方のもと、常に県民の目線に立って現在の状態に妥協することなく、より高い政策効果を目指そうとする思いを伝えてきました。私が今実感しております大きな変化は、知事のこうした思いが職員の意識に行き渡り、県庁の仕事が格段に忙しくなる中にあっても、職員が常に政策効果を重視した姿勢で、官民協働を心がけ全力を尽くそうとする、そうした仕事ぶりにあると強く感じています。
私の40年にわたる県庁生活を振り返りましても、 今の職員は本当によく働いてくれていると太鼓判を押したいと思います。 このことは、多くの先輩方に対しましても私が胸を張れることだというふうに自信を持っております。 今後とも、県庁が一つになって知事の思いを共有し、県勢浮揚に向けて確固たる礎が築けますよう、職員の心身の健康管理にも心を配りながら取り組みを推し進めてまいります。

◆産業振興計画について
■桑名
尾ア県政の柱である産業振興計画の2年半の取り組みの総括が行われた。 各産業分野、各地域においてその方向性や県の取り組み姿勢は評価されております。 ただし、目に見える成果はまだないという声もあります。
産業振興は2年半で多くの実績が上がるほど簡単なこととは思えませんが、次のステージでは早く成功例を出し、県勢浮揚の足がかりとしなければなりません。そこで、よく事業の加速化を図るという言葉を使っておりますが、 この産業振興計画は現在、 飛行機に例えれば滑走路を走り上昇に向けて加速をしているところなのか、また滑走路から今まさに飛び立とうとして加速をしているのか、はたまた離陸をして上昇のためさらに加速をしている状況であるのか、 知事のこれまでの取り組みに対する総括も含めお聞きする。

●知事
スタートしてから2年半、この間産業振興に向けて積年の課題を真正面から見据え、 目指すべき方向を県民の皆様と共有するよう努めながら、官民一体となって挑戦を続けてまいりました。計画策定当時は、本県の根本的な課題という高いハードルへの挑戦ということもあって、 計画の実現性に対する厳しい意見を多数いただくこともございました。 また、 リーマンショックによる百年に一度の不況にも見舞われ、 全国的な産業、 工場再編の波にも襲われたところであります。 他方、 龍馬伝という思わぬ追い風もありました。 何より、 県内の地域地域や各分野で地道な取り組みを続けてこられた結果、 産業振興の取り組みに対する理解が深まり、 計画への参加者も着実に広がりつつあると感じているところであります。
その効果を県民の皆様に広く実感いただけるには、 いま少し時間が必要ではありますが、 この間の取り組みの成果は着実にあらわれ始めていると感じております。 例えば、 県内各地での農水産加工の新たな動きなど付加価値を高める取り組みは確実に動き始めておりますし、 外商活動面では、 大都市圏や海外に目を向けた戦略のもと、 外商にチャレンジする事業者の方々が増加し活動が活発化するなど、 将来に向けてさらなる飛躍が期待できる動きも出てまいりました。
観光分野では、 本県の観光資源を磨き上げ売り出していく中で、 400万人観光、 1,000億円産業を達成した土佐・龍馬であい博の成功を通じてさまざまなノウハウも蓄積いたしました。 また、 地域アクションプランとして取り組んできた室戸ジオパークの世界認定や海洋堂ホビー館四万十の盛況ぶりに代表されますように、 本県が持つ観光資源のポテンシャルや新たな魅力を発見できましたことは、 今後の展開に向けての大きな自信につながったところであります。 さらには、 銘建工業が中心となる新たな大型製材工場の進出が決定したことにより、 成熟した森林資源をダイナミックに活用する仕組みが今まさに始まらんとしておるところであります。
当面の目標の年としておりました本年度に入り、 かねてからの懸案が地域地域の皆様や関係者の方々の粘り強い取り組みのたまものとして目に見える形となり、 ようやく全体の仕組みが整ってきたと感じているところでございます。 産業振興計画の取り組みには、 企画立案の段階から手がけたものも多く、 御指摘のように飛行機に例えるならば、 滑走路を走り出すまでにも多くの時間と労力をかける必要がございました。 まず、 乗員が決まり、 そして飛行計画を練り、 燃料を補給し、 乗客を乗せ、 数々のチェックを経てようやく滑走路に向かうというように、 事業が具体的に動き出すまでにも多大なエネルギーを投じて準備を行ってまいったところでございます。 平成22年までの間、 この準備に費やし、 平成23年になってようやく御指摘の滑走路の中に飛行機が入ることができた、 そういう段階ではなかろうかと考えています。
そして、 平成23年に入ってさらに取り組みを続けてまいりました。 一つ一つの取り組みを見ますと、 その進捗状況はさまざまでございますが、 計画総体といたしましては、 先ほど述べた準備段階を終え、 飛行機が滑走路を走り今まさに離陸した直後であり、 これから加速、 上昇を目指していく段階ではないかと考えております。 これからさらに上昇して巡航高度に達するよう、 動き出した取り組みに粘り強く支援を、 また我々としての取り組みを続けていきますとともに、 これまでの取り組みを通じて見えてきた新たな課題や残された課題の解決に向けて全力で挑戦をしてまいりたいと、 そのように考えております。


■桑名
これまでは、 国の経済対策に伴う臨時交付金や緊急雇用対策費など本県にとっては有利な追い風もあったが、今後は極めて厳しい国の財政状況もあり、 先行きが見えてこない。 特にふるさと雇用再生特別基金が今年度限りで終了することは、 県政の重点施策を加速化させなければならない本県にとって大きな痛手となるす。 知事は、 基金終了後の対応として、 県の一般財源を充当する30億円の基金振りかえ事業を提案した。 大いに評価される御決断である。 しかし、 基金を効果的に利用してきた地域アクションプランやあったかふれあいセンター事業もいつかは自立をしなければならない。 特に地域アクションプランなどは自立した事業継続が基本であり、 ある程度厳しさを持って取り組んでいかなければなかなか自立することはできないと考る。
地域アクションプランにおいて、 ふるさと雇用再生特別基金を利用した事業の中で、 来年度から自立できると思われるものはどれくらいあるのか。 また、 事業の自立に向けて、 今後県としてどのような指導、 支援をしていくのか。

●知事
ふるさと雇用再生特別基金事業は、 地域アクションプランを初め地域でのさまざまな取り組みが新たな事業展開を図っていく上で大変心強い制度であり、 産業振興計画の大きな推進力となっております。 この基金を活用している事業は、 全体で304事業、 このうち地域アクションプラン関連は101事業あり、 事業の形態としましては、 ビジネスとしてその事業の収益によって雇用の維持を目指すものと、 広域観光の取り組みなど事業そのものに限らず地域全体としての経済効果を目指す色合いが強いものとに大別されます。
本年7月に市町村等に行いました事業継続に関する調査では、 自立を前提に事業継続を目指すものが約6割、 公的支援を一定前提としながらも事業の必要性から事業継続を目指すものが約3割となっております。 さらに、 今後、 時点時点の状況を把握し、 また市町村等とも継続的に協議をする中で、 来年4月以降の自立が可能かどうかについて最終的な見きわめを行っていきたいと考えております。
これまでの協議の中では、 事業者の方々や市町村からは制度が終了してもみずからの収入で雇用の継続が見込めるといったお話があります一方で、 取り組み自体が軌道に乗るまでにもう少し時間が欲しいといった声や、 いきなり来年度から制度が終了することとなれば雇用の継続が難しいといった声も寄せられております。 こうした声にこたえるためにも、 県内各地で動き始めた雇用を生み出す取り組みの芽を摘まないよう、 激変緩和措置として一定期間の支援をしていく必要があると考え、 新たな支援制度を前提とした今後の財政見通しをお示ししたところでございます。
事業の自立に向けた取り組みにつきましては、 各地域本部を中心に自立を図るための支援であることを常に念頭に置きながら、 事業の現状についての定点観測を行っていき、 さらにその結果に基づいて、要すれば最もふさわしい支援策を数あるソフト、ハードの支援策の中から選んで適用し、さらにその効果をはかって、要すれば次の対策を考えるとのプロセスを全事業について行ってまいりたいと考えております。 特にこの8月には、各地域産業振興監と私とで個別に時間をかけて事業の現状と対策について協議するなど、既に24年度以降をにらんだ、 以上のプロセスを始動させたところでございます。


■桑名
さて、 先週の19日、 地元の高知新聞のトップ記事にうれしい2つの記事が掲載された。 室戸ジオパークの世界認定と集成材メーカー銘建工業の大豊町への進出である。
銘建工業の大豊町進出についてお聞きをいたします。 銘建工業進出による大規模製材工場は、 平成25年度中の操業を目標とし、 その運営主体は銘建工業を中心に県内の林業団体や自治体も出資する第三セクターであり、 設立に当たっての総事業費は約25億円と言われている。 3年後のフル操業時には60人の従業員が見込まれ、 またそのほとんどが地元から雇用するなど、 大豊町や林業関係者にとっては林業の活性化や地域経済振興につながると期待されている。 しかし、製材する杉やヒノキの原木量は年間10万立方メートルで、 県内の年間生産量の4分の1の量が必要となる。今後どのようにして10万立方メートルの材を安定的に確保していく計画なのか。また、大規模製材工場の進出により既存の製材工場の経営を圧迫するとの懸念もある。今回の銘建工業進出により、今後本県林業、 木材生産の新たな仕組みをどうつくるのか。

●知事
銘建工業が中心となる新たな大型製材工場は、操業開始後3年目には、 四国では最大級の10万立方メートルの原木を消費する計画となっております。 既存の事業者への供給分を確保しつつ、新工場が必要とする材長、径級等の原木をそろえるためには、20万立方メートル以上の増産が必要と想定しております。このため、産業振興計画に基づき進めてまいりました森の工場を一層拡大しながら搬出間伐による増産を図るとともに、 伐期を迎えた森林については生産効率の高い皆伐もあわせて進めることが必要と考えておりまして、このことは産業振興計画の次期ステージの見直しポイントとしてお示しをしておるところでございます。
こうした方針に基づく具体的な増産の進め方につきましては、県森林組合連合会を中心に、県下の森林組合や素材生産業者等で生産量の割り振りや生産から供給に至るシステム等の検討が始まっております。県としましても、各事業体が立てた増産目標の達成に向けて、人と機械の最適配置や現場の作業工程の改善などの取り組みをともに進めてまいりたいと考えております。あわせて、国有林へまとまった量の供給をお願いすることや県営林の活用など、県としてもできる限りの協力をしながら原木の安定的な確保を進めてまいります。

本県の林業振興における大きな課題は、成熟した森林資源を有効に活用し地域の活性化を図ることであり、産業振興計画の林業分野では、豊かな森林資源を活用した所得の向上と雇用の創出を目標に、 森の工場づくりを中心とした原木生産の効率化を進めるとともに、加工基盤や流通体制の強化など県内での一貫した生産・販売体制の整備に取り組んでまいりました。
原木生産においては、森の工場の取り組みにより、林業機械の導入や作業道の開設など生産基盤の整備が進みつつあるものの、これまでは加工基盤や流通体制などが脆弱であったため、全国でもトップクラスの森林資源を十分に生かし切れていない状況にありました。このたび、高度な加工力と独自の販路を持ち合わせた銘建工業の進出が実現することで、大量の原木を安定的に消費することができる体制が整うこととなり、本県の豊かな森林資源を生かしていく大きな流れをつくり出すことが可能となりました。
こうした新たな状況に対応するため、 先ほども申し上げましたが、 まず原木生産においては、既存の県内事業者への供給を維持しつつ、新たに整備される大型製材工場の要請にこたえていくことが必要ですので、 新工場の操業開始後の3年目には少なくとも20万立方メートルという現状の5割に相当する大幅な増産が必要となります。
そのため、これまで間伐が中心であった伐採方法について、今後は生産効率の高い皆伐をも促進し、 間伐と皆伐のベストミックスを図ることで安定した供給を行うよう考えております。あわせて、皆伐後の跡地については、適地適木を基本としながら適切に更新されるよう対策を検討してまいります。
また、 増加が見込まれる低質材や林地残材についても、 バイオマスエネルギーや製紙用チップ、 合板原料などのさまざまな形で余すことなく活用できるような体制づくりに取り組んでまいります。加工体制の強化については、 新たな大型製材工場の整備と並行して、 既存の県内事業者につきましても共同化による規模拡大や効率化の取り組みを積極的に推進してまいりたいと考えております。加えて、木材価格が低迷する中、 競争力を保つための設備の更新さえもままならない状況にある県内事業者が、 地域に根差して持続的な経営を続けられますよう、 事業維持に必要な設備の更新の支援など対応策を検討してまいりたいと考えております。
流通・販売体制については、これまでに大消費地において、 県産材の販路開拓のため商談会、 展示会などの開催や流通コストの削減のための県外流通拠点の設置について支援をしてまいりました。
今後も、県内事業者が協力してまとまりを持って取り組む地産外商の活動を支援し、 県産材の需要拡大につなげてまいります。
このように、このたびの銘建工業の進出を大きな起爆剤とし、生産から加工・販売までトータルで本県の成熟した森林資源をダイナミックに活用する仕組みを構築し、 本県の林業振興を次のステージへ進めていきたいと考えています。

◆地方公務員制度改革について
■桑名
国家公務員制度改革関連法案が提出されたことを受け、 地方公務員制度改革が行われようとしています。
この改革の目玉は、地方公務員に協約締結権を与え、民間と同様に給与や勤務時間を労使交渉によって決定するものである。 これまで人事委員会のような中立的機関が科学的データに基づき給与勧告を行ってきたが、 今回の改革案により、これを労働組合との団体交渉にゆだねる形へと基本的な仕組みが転換することになる。 もし交渉が不調になった場合は、 県労働委員会によるあっせん、 調停及び仲裁を行わなければならない。協約締結権が認められていた旧国鉄では、仲裁裁定が常態化していたと聞いている。労使が協約を締結しても、議会で条例が否決された場合の措置や、各市町村のあっせん、調停及び仲裁を県労働委員会で行うことによる調整コストの増大など多くの問題点も指摘をされている。
そもそも公務員制度改革は、 自公連立政権のもとでは、内閣人事局の設置、 幹部職員人事の一元管理などを基本としていたが、 民主党政権にかわり公務員の労働基本権問題と一体に取り扱うことが盛り込まれ、国家公務員制度の改革にとどまらず、地方公務員制度にまで及んできた。 この改革により、 民主党政権の非労組系議員は人事院勧告以上の給与削減ができるとの思いを持ち、一方で労組系議員においては大きな権利を獲得できるとの思いで進められており、 民主党内はまさしく同床異夢の状況にある。また、全国知事会は、新たな労使関係制度を設けた場合の社会的便益とそれに要する費用が不透明であると言っている。 さらに、岡山県の石井知事は総務省の会合で、そもそも今回の制度改正にはどういう目的があるのか、 公務員への協約締結権付与によってどんな社会的メリットが生じるのかについて、すとんと落ちるような見解がないと疑問を呈した報道もある。この改革で効率的で質のよい行政サービスが実現できるのか、私も疑問を持っている。こうした状況を踏まえて、地方公務員制度改革全般について知事にお聞く。

●知事
国家公務員に協約締結権を付与し、 労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度及び人事院を廃止した上で、 内閣人事局、公務員庁、人事公正委員会を設置することなどを内容とする国家公務員制度改革関連法案が提出をされました。
一方、 地方公務員の労働基本権のあり方については、 本年4月、 国家公務員制度改革推進本部において策定された改革の全体像において、 「地方公務員制度としての特性等を踏まえた上で、関係者の意見も聴取しつつ、国家公務員の労使関係制度に係る措置との整合性をもって、速やかに検討を進める」 こととされています。
さらに、本年6月には、国から地方公務員にも協約締結権を付与し、人事委員会勧告制度を廃止することなどを内容とする「地方公務員の労使関係制度に係る基本的な考え方」 が示されました。
しかしながら、この基本的な考え方には、現行の労使関係制度の問題点や、 それを踏まえた新たな制度の必要性など制度改革の理念が明確に示されておらず、 また議員からお話のありました新たな労使関係制度を設けた場合の社会的便益とそれに要する費用についても具体的に示されておりません。
さらに、議院内閣制のもとでの内閣と国会の関係と異なり、二元代表制を採用する地方における議会の関与のあり方、地方公共団体の規模、任命権者の多様性など、地方自治制度の特性を踏まえた検討が十分にされているとは言えない状況にあると考えております。
今回の改革は、現行の公務員制度の根幹にかかわる問題であるとともに、 国民、 県民の生活に大きな影響を与える可能性があり、 その見直しに当たっては広く議論を尽くし理解を得ることが不可欠であると考えております。 このため、 今後制度の検討に当たっては、 国と地方の協議の場等において、 当事者である地方側と十分な協議を行うよう全国知事会を通じて要望しているところであります。 この協議を踏まえて慎重に検討を行っていく必要があると考えております。

◆国の出先機関の権限移譲について
■桑名
国の出先機関の事務・権限の移譲についてお聞く。現在30万人いる国家公務員のうち3分の2が地方に設置している国の出先機関の職員であり、その業務について、道路や河川の整備、中小企業の振興など県の仕事と重なる部分も多く、こうした出先機関の事務や権限を県に移譲しようとするものである。政府は、昨年末、移管の意思を明確にするブロック単位の広域的な実施体制に対し国の出先機関の事務・権限を移譲することを閣議決定し、これを受けて関西広域連合や九州地方知事会は、経済産業局、 地方整備局、 地方環境事務所の事務・権限の移譲を国に申し出ている。 国の出先機関の事務や権限の移譲は、全国的な課題であるが、国は受け入れ体制の整った地域から優先をして実施しようとしている。 本県がかかわる国の出先機関は、 四国地方整備局、四国経済産業局など四国を一つの管区とする出先機関と、中国四国地方環境事務所、中国四国厚生局、中国四国農政局など中国地方も含めた出先機関があり、受け皿が異なるという課題もある。現在の国の議論も踏まえて、広域行政制度を活用した国の出先機関の事務や権限の受け入れについてどのように考えているか。

●知事
現在、国の地域主権戦略会議において、関西広域連合や九州地方知事会との間で、経済産業局、地方整備局、地方環境事務所といった3つの国の出先機関の事務や権限の移譲について、 移譲対象とする事務やその受け皿となる新たな広域行政制度の仕組みなどの具体的な協議が進められております。
また、こうした動向を踏まえ、 全国の他のブロックにおいても国の出先機関の受け入れに向けた検討が進んでいるとお聞きをしております。
私は従前より、国の出先機関の事務や権限の移譲については、地方がみずからの判断に基づき、より地域の実情に合った政策の展開を可能とする方向での検討を進めることが何よりも重要だと考えております。 昨年の四国知事会議において、具体的な検討を行う場の必要性についての提案を行い、四国4県の広域連携部長会議を設置して検討を進めてきているところでございます。現在、さまざまな連携の実績や地域間のつながりなどから、四国での受け入れを基本として、産業振興や環境保全、 社会資本整備の実情を踏まえた上で、より政策効果を高められる分野から取り組む方向で議論が進められ、具体的な受け入れ体制の検討を行っているところでございます。
いずれにしましても、今後、国がどういった広域行政制度を念頭に、どこまで思い切って権限移譲を実現していくのかといったことなどにつきまして、 国の動向もよく吟味しながら四国の実情に合った広域行政制度の仕組みの検討をさらに加速化させてまいりたいと考えております。

■桑名
今後、 国の出先機関の事務や権限の受け入れについて、検討を進めるに当たっての課題とスケジュールについて総務部長に聞く。

●総務部長
現在、 四国4県の関係部局長間では、具体的な出先機関の業務を念頭に置きまして、 個々の業務を国と地方がどのような役割分担で受け入れていくのかということ、また受け入れに当たっての受け皿のあり方、 例えば広域連合制度を活用するのかどうかといったことについて詳細な検討を行っているところでございます。
今後、 検討を深めていく上におきましては、事業の実施に必要な財源確保の手だて、現在の出先機関職員の身分の取り扱い、 こういったことが国においてどういう方向で整理され制度設計されていくのかということが、 今後の議論に大きな影響を与えることになってくるんではないかと考えておるところでございます。
国におきましては、移譲対象出先機関の決定に向けた中間取りまとめや、 年末に予定されております移譲対象事務・権限などの閣議決定、 さらには年度末の関連法案の国会提出に向けた議論が進められていくことになりますが、 その中で国の方針もより具体化されてくるものと思われるところでございます。
四国4県といたしましても、こうした国の議論の動向をにらみながら、その議論の進捗状況に応じた対応ができるよう、しっかりとしたスケジュール感を持って四国の実情に合った検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

◆南海地震対策について
■桑名
東日本大震災後、本県においても震災対策を第一に各部局で取り組みを進めている。 今後有効な震災対策を進めていく上で基本となるのが、対策の前提となる地震規模の想定である。 今回の東日本大震災の被害状況にかんがみ、今後想定外の事態も想定をすることが必要と考える。
先般のNHKスペシャルや高知新聞にも掲載されていたが、 中央防災会議専門調査会委員でもある東大地震研究所の古村教授は、東海・東南海・南海地震に加え、 その沖合の震源域もあわせて動く4連動地震が起こった場合、これまでの3連動地震の想定規模の1.5倍から2倍の規模、所によっては20メーターの巨大津波が本県を襲う可能性を示した。このことをどう認識して、今後の津波対策を講じていくのか。

●知事
過去最大クラスの大津波によって、多くのとうとい命が奪われた今回の震災の教訓として、中央防災会議の専門調査会では、千年、二千年に一度といった頻度の大津波への対応なども議論されており、こうした中での古村教授のお考えだと承知しております。
新たな3連動地震の想定については、このような議論を踏まえて今後検討が進められていくものと考えておりまして、本県といたしましても、過去最大クラスの津波の襲来もあるものと認識し、過去の津波痕跡や記録なども調査しながら、より精緻なハザードマップなどを作成し、あわせてそれに基づいた対策もしっかり進めていかなければならないと考えております。
加えて、幾ら精度を高めたとはいえ想定は想定であり、確実な安全性を示すものではありませんので、想定外の事態も起こり得ることを想定して、可能な限りの安全性を追求し対策を積み重ねていかなければならないと考えております。このような最大クラスの津波に対しましては、 水際構造物に津波に対する粘り強さを持たせていくことなどのハード対策に加えまして、 まずは命を守るための避難対策も徹底して強化するためのソフト対策など、 ハードとソフトを組み合わせた多重防御の観点で対策を進めていく必要があると考えております。
これまで国に対して提言してまいりました浦戸湾沿岸の津波対策が新しく概算要求の候補に選定され、県としても大きな期待を寄せております。 こうした大型の事業につきましては、 国、 県一体となって進めていくことが必要であります。 引き続き政策提言を行い、 対策の強化に努めてまいります。
避難対策に関しましては、 今議会に提案しております避難場所や避難路の整備などを急ぐことはもちろん、 想定される津波高にとらわれずできるだけ高いところへ迅速に逃げるという意識の徹底と訓練を繰り返し実施すること、さらには避難が困難な方への支援の仕組みづくりなど、新たな想定を待つまでもなく今すぐできることとしてこれらの対策をさらに加速化し、県民の皆様の命を守ることに全力を尽くしてまいります。

■桑名
南海地震に対応する職員等の確保について、県は、昨年3月、 新高知県行政改革プランを策定した。 前行政改革プランでは、平成27年度当初には知事部局職員を3,000人体制とする目標が掲げられたが、今回の新行政改革プランでは、 県勢浮揚の地盤固めを図るため3,300人体制とし、削減数を緩和した。
これでも平成27年度当初までに100人の人員をさらに削減しなければならない。しかし、この計画は東日本大震災が発生する1年前に策定したものである。
震災後は各部局とも通常業務に南海地震対策がさらに加わり、職員の業務量は確実に増加をしている。今後、いつ来るかわからない南海地震に対して備えなければならなく、 しかも一過性の業務ではない。特に、土木部は公共事業の減少で削減の要因になっているが、南海地震対策では先頭に立ってもらわなければならない部署である。
本県では、これまでの取り組みで職員数の一定のスリム化は達成できているものと私は考える。 新高知県行政改革プランの中では、「なおこの目標値は、状況の変化によっては適宜見直すこととします」と明記されている。今後、さらに強化が必要とされる南海地震対策の業務に従事する職員をどうやって確保していくのか。

●知事
南海地震対策は、 県政の最重要課題であり、県民の皆様の安全と安心を一日も早く高めるため、 対策の加速化と抜本的な強化が急務となっております。 学校での避難訓練や津波からの避難場所づくりなど、今すぐできることをスピード感を持って取り組んでいくことはもとより、これから東日本大震災の検証等を踏まえた抜本的な対策を講じていく上では、これまで以上に多くのマンパワーが必要となりますことから、 今後はさらに重点的に職員を配置しなければならないと考えておるところであります。新しい行政改革プランでは、知事部局3,300人体制を目標に掲げておりまして、引き続き組織体制のスクラップ・アンド・ビルドを徹底しながら全体的な職員数のスリム化に努めてまいりたいと考えておりますが、こうした中におきましても、めり張りをしっかりときかせながら全体として効率的な組織にするという基本的な考え方のもと、南海地震対策を初めとする緊急性、重要性の高い分野には重点的に人員を配置して、 県民サービスの向上につながりますようしっかりと対策を講じてまいります。

■桑名
南海地震発生後のマンパワーの確保も検討をしなければならないと考える。 地震は平日、休日、昼夜を問わず発生する。そのとき、果たしてどれくらいの職員が各持ち場に来られるのか。 最悪の状況を想定しなければならない。
行政は、 発生直後の対応は当然であるが、 復旧や復興にも莫大な業務をこなしていかなければならない。 毎年、貴重な技術や経験を身につけた職員が多く退職している。 この職員OBを予備役として登録し、災害時には県職員を補佐して業務に当たってもらうことでマンパワーを確保することが必要だと考える。

●知事
本県では、 平成22年2月に策定した南海地震応急対策活動計画に基づきまして、発災後、一定の期間はほとんどの通常業務を中断して、 全庁挙げて応急的な災害対応業務に当たることとしております。
しかしながら、今回の震災の教訓を踏まえますと、 本県においても、 被災者支援や復旧事業など県が対応すべき業務に加えて、 複数の市町村の行政機能が同時に失われた場合への支援など、 膨大な災害対応業務を長期間にわたり継続しなければならないことも考えられます。
こうしたことから、本県の応急対策業務の全体像をいま一度把握した上で、 真に優先される業務の選別や職員配置のあり方について、 抜本強化策の一つとして見直さなければならないと考えておるところであります。
これまで多くの業務経験を積まれてきた県職員OBの方々に御支援をいただければ、 大きな力になるとともに非常に心強いと感じているところであります。 県職員OBで構成する団体の中には、 既に南海地震を想定した支援事業を掲げておられる団体もありまして、日ごろから地域の方々を対象とした南海地震に備える啓発活動や災害復旧事業への技術的な助言などを行っていただくことなど連携を深めております。
今後は、こうした皆様と南海地震発生後に御支援をいただくための環境を整えるとともに、さらに多くの県職員OBの方々からも御支援をいただける仕組みづくりについて、 予備役といったことも念頭に置きながら検討してまいりたいと、そのように考えております。

■桑名
自衛隊OBの自治体への採用についてお聞きく。
東日本大震災における自衛隊の活躍は申すまでもなく、特に宮城県においては、 知事が自衛隊出身ということもあり、 連携がとれスムーズな運用ができたとの報告もある。地震のような自然災害のみならず、 武力攻撃や大規模災害などの危機発生時には自衛隊の持つ能力を最大限に活用しなければならない。そのためにも、平素から密接な連携をし、取り組んでいくことが重要である。
連携という言葉をよく使うすが、これは日ごろの深い関係があってからこそ真の連携と考える。本県においては、既に1名の幹部自衛官OBを採用しているが、市町村での採用はない。四国他県の状況は平成23年3月末時点で、 愛媛県には県庁に2名、松山市、西条市、今治市にそれぞれ1名、徳島県も県庁に2名、小松島市、阿南市、吉野川市にそれぞれ1名、香川県は県庁に1名、丸亀市に1名それぞれ在職している。自衛隊は我々の想像を絶する訓練を行っている。当然、郷土の第50普通科連隊も同様で、災害時には力強い支援が得られるものと思われる。こうした能力や警察、 消防、 自衛隊の総合的な運用をスムーズにかつ最大限に発揮させるため、 特に甚大な被害が想定される市町村には災害対応のノウハウを持つ自衛隊OBの力を得ていくことが必要と考える。県として、自衛隊OBの活用について市町村に理解を深めてもらう取り組みをする必要があると考える。

●知事
県におきましては、平成15年9月から陸上自衛隊を退官された幹部職員1名を採用させていただきまして、災害発生時の応急活動機関の連携強化、南海地震発生時の応急対策や防災訓練への助言、 大規模災害発生時における自衛隊への災害派遣の連絡や調整の役割を担っていただいております。これまで応急救助機関相互の連携を図るため、連絡会の定期的な開催、また南海地震応急対策活動計画等の策定、 図上訓練や総合防災訓練に係る助言をいただき、さらに大規模な山林火災発生時においては、 自衛隊の災害派遣要請の連絡や派遣部隊との調整役として重要な役割を果たしていただいているところでございます。
3月に発生しました東日本大震災における被災地での救援活動では、人命救助や遺体の収容、さらには給食や入浴などの被災者への生活支援など、 自衛隊がその中心となって継続的に活躍され、 被災地の方々からも感謝を受けておられました。 南海地震の際にも救援活動の中心は自衛隊に担っていただくことになると考えておりまして、 日ごろから自衛隊と顔の見える関係を築き上げておくことが必要だと思いますし、実際に今回の震災においても、自衛官OBを採用されていた自治体では自衛隊との連携が非常にうまく進み、 迅速な対応につながったとお聞きしております。
市町村においても、ぜひ自衛官OBのノウハウを大いに活用していただきたいと考えております。こうしたノウハウを効果的に活用していくためには、 県としましては市町村の防災訓練へ自衛隊が参加することの調整や山林火災などの災害時には市町村に自衛隊の連絡員を派遣していただくことなどを通じまして、 自衛隊と各市町村との相互理解の一層の促進を図っていく、こういう取り組みを進めてまいるということが大事ではないかと考えておりまして、これらを積極的に推進してまいりたいと、 そのように考えております。

■桑名
東日本大震災において、地元の建設業協会が復旧・復興に大きな力を発揮し、貢献されたと聞いている。災害発生後のマンパワーが不足する状況のもと、災害の復旧・復興には重機を扱う建設業界の技術や能力が不可欠である。早期に道路を開通させたいわゆるくしの歯作戦も、実施に当たっては一夜で52チームを編成し、応急復旧に努めたと報告されております。 本県でも既に高知県建設業協会との災害協定を締結している。
今後は具体的に救援ルートの確保などの手順を定めていかなければなりませんが、現在の進捗状況と、また広域的に災害協定を締結することも必要と考える。

●土木部長
東日本大震災の際、くしの歯作戦により障害物の除去を行う、いわゆる道路啓開が実施され、早期に緊急輸送路が確保されました。本県におきましても、南海地震発生時には県内全域で大きな被害が発生すると想定されており、迅速な救命・救護活動、物資輸送や復旧活動において広域的な支援をお願いする必要がございます。
そのためには、早期の緊急輸送路の確保が重要であり、 啓開計画を策定しておく必要がございます。計画の策定に際しては、 国道55号、56号などの沿岸部の幹線道路が揺れや津波によって各所で寸断され、 緊急輸送路としての機能が果たせなくなるおそれがあることから、 比較的被害の少ない瀬戸内側と太平洋側とを結ぶ救援ルートを広域的に複数検討する必要がございます。
そのため、 四国地方整備局が中心となって本州四国連絡高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社及び四国4県が連携し、 計画の策定に取り組んでいるところで、現在対象路線の選定や被災状況の把握方法、 関係機関の情報共有方法について検討をしているところでございます。
今後は、道路啓開や復旧作業における各関係機関の役割分担や指示命令系統のルール化、 建設業協会などとの災害協定に基づく実施体制についても検討を進め、 四国版くしの歯作戦となる緊急輸送ルートの啓開・復旧オペレーション計画を策定する予定となってございます。
次に、早期の復旧・復興に向けた広域的な連携の必要性についてでございますが、東海・東南海・南海の3連動地震などを想定した場合、 広域的な支援体制の確保が重要であると認識してございます。
このため、現在、四国地方整備局と「四国地方における災害時の応援に関する申し合わせ」を締結し、災害対策用資機材の提供や人員の応援に関する協力体制を進めておりますが、超広域災害に備え、さらに幅広い連携体制の構築に県として努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

■桑名
建設業界を取り巻く状況は、公共事業が激減し各社の経営も大変厳しいものであるとの声も聞こえてくる。
建設業界は、災害時に大きな力を発揮するだけでなく地域経済や雇用を支える地域の担い手でもある。建設業界を地域の担い手と考えるならば、 どのようにしてこの担い手を確保していくのか考えなければならない。
しかし、現行の入札制度を見ても安いことだけが最優先され、入札限度額ぎりぎりで落札されている現状で、果たして今後この地域の担い手を守ることができるのか不安を感じる。
この8月には、国土交通省より各県に対し、地域維持型の契約方法などが盛り込まれた公共工事の入札及び契約の適正化の推進などについての要請があった。こうしたことを踏まえ、地域の担い手である土木、建築に携わる建設業界の振興を図るために、どうこれらを具体化していくのか。
 
●土木部長
議員御指摘のとおり、本県に限らず、建設投資の減少に伴い地域の建設業者が減少し、地域活力の低下や社会資本の維持管理、災害時の応急対策などの担い手不足が懸念されてございます。
そうした状況を踏まえ、本年8月に「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針」の一部改正が閣議決定され、国から本県にも入札及び契約の適正化の推進についての要請がございました。
その主な内容といたしましては、調査基準価格の引き上げなどによるダンピング対策の強化や、地域の実情に応じ、複数の種類や工区の地域維持事業をまとめるなどの新たな地域維持型の契約方式を適切に活用することなどが挙げられており、地域維持型の契約方式については、現在国においてその詳細が検討されているところでございます。本県の入札・契約制度におきましては、低入札価格調査制度や総合評価落札方式を適用することにより、ダンピング受注の排除や、価格だけでなく技術力や地域への貢献度などを評価するなどの取り組みを進めておるところでございます。
また、地域の建設業者で施工可能な工事は、できる限り地域の建設業者に発注することとしており、特に道路などの施設の維持管理や災害時の応急対応などにつきましては、迅速かつ確実に対応できる地域の建設業者に発注し、受注機会の確保に努めておるところでございます。
東日本大震災の際には、発災直後の道路啓開にいち早く建設業者の皆様が当たられ、その後の救援活動などが迅速に行われたと承知しており、 地域の実情をよく知る建設業者には、 日ごろの道路などの施設の維持管理のみならず、 南海地震など大規模災害時においては非常に重要な役割を担っていただかなければなりません。今後とも、国の検討結果や他県の事例も参考にしながら、技術と経営にすぐれ地域を支える建設業者の皆様が継続的に成長していけるよう、入札・契約制度などを通してその環境整備に努めてまいります。

■桑名
6月定例会において森田議員が、大規模な津波被害が予想される中、従来の土地利用規制を緩和し、 高台への住居移転を進めていくべきではないかとの質問をした。
また、住民のそういった声も日増しに多く聞かれるようになった。土木部長の答弁では、高台等への住居の移転を想定した開発許可や土地利用規制のあり方を検討していきたいとの考え方を示した。今後、どう住民の高台への移転を具体化していくのか。

●土木部長
現在、高知広域都市計画区域において、市街化区域と市街化調整区域の区域区分を定めてございます。今後、さらに人口減少が予想される中では、都市インフラを効率的に整備し、住民の生活水準の維持向上を図り、計画的なまちづくりを行っていくためにも、 現行の区域区分は引き続き継続していくことが必要だというふうに考えておるところでございます。
その一方、来るべき南海地震での津波を避けるため、住民が高台などに住居を移転したいという要望があることは承知しており、県でも県民の安全・安心を確保する観点から、このことについて検討する必要があるというふうに考えてございます。
しかしながら、 高台などへの個人住宅の移転につきましては、上下水道や電気、電話など移転先での公共サービスの確保策や、これまでのまちづくりや土地利用規制との整合性など解決すべき課題も多いというふうに考えておるところでございます。
このように、さまざまな課題もありますので、県ではまず建物の土地の高さや未利用地の実態を把握する調査を今年度から行う予定としてございます。また、高台移転に関する住民の意向調査なども必要だというふうに考えてございまして、 調査方法などについて現在検討しておるところでございます。
これらの調査結果や津波防災まちづくり法などの国の新たな制度の動向を踏まえ、 まちづくりの主体となる市や町と高台移転について議論を深めていきたいというふうに考えておるところでございます。

◆教育問題について
■桑名
8月に、県内公立中学校で来年度から使用される教科書が選定された。今回の教科書の選定は、新教育基本法のもとで初の検定を受けた教科書の中から採択されるもので、これまでとは選定をめぐる状況が大きく異なっている。
改正された新教育基本法では、教育の目標として、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国を愛することが明記された。
さらに、中学校学習指導要領の歴史の分野では、我が国の歴史の大きな流れを理解させ、 それを通して我が国の伝統と文化の特色を広い視野に立って考えさせるとともに、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てるとある。
しかし、このように新教育基本法や学習指導要領に明記されようとも、 今回の教科書検定に合格した教科書の中には、 日本の歴史に誇りを持たない記述がされているものや、 さらには領土問題や外国人参政権などの記述について日本国の教科書とは思えないものも見受けられる。権利と義務の履き違え、そして自虐史観から来る愛国心の欠如など戦後教育がもたらしたさまざまな弊害が今、 国の力を衰えさせているのではないか。だからこそ、教育の基本となる教科書の選定には、慎重かつ冷静に取り組んでいかなければなりません。教科書選定に当たっては、採択の権限は各市町村教育委員会にあるが、適切な採択を確保するため、県教育委員会は調査研究し、採択権者に指導、 助言、 援助することとなっている。
今回の歴史、公民の教科書選定に当たって、県教育委員会としてどのような指導、助言、援助をしたのか、また県立中学校の教科書選定ではどのような議論があったのか。

●教育長
公立小中学校の教科書採択の権限は、 所管する教育委員会にございまして、県教育委員会は採択の適正な実施を図るため、教科用図書選定審議会を設置し、 あらかじめその意見を聞き、 市町村教育委員会に指導や助言、 援助を行うこととなっております。
具体的には、この教科用図書選定審議会の委員として、 教員や教育行政関係者、保護者など20名の委員を委嘱しました。そして、その審議会のもとに教科書に専門の知識を有する教員や教育行政関係者97名を委嘱し、専門調査委員会を設置して、 国の教科書検定を合格したすべての教科書について調査研究を行いました。 中でも社会科につきましては、20名の調査員を委嘱し、手厚く慎重に調査を行ってきました。
さらに、その調査結果を取りまとめ、報告書として6月下旬に各市町村教育委員会に送付をいたしました。
また、各市町村教育委員会に対し、担当者会や通知文などにより、採択権者としての権限と責任のもと適正かつ公正な採択の確保を徹底するよう指導も行いました。
こうしたことを踏まえて、各市町村教育委員会においては、本報告書を参考にしながら適切に採択を行っております。
次に、県立中学校の社会科教科書の採択に当たっては、 教育委員会において、他県の中高一貫校の採択の状況や、本県の採択が中高一貫校としての特色を生かしたものとなっているのかなどについて質疑や意見交換を行いました。 その結果、社会科の教科書に限らず、学校経営方針のもとに、教科用図書調査方針を定めて教員が調査した結果や 学校長の意見も参考にして、中高一貫校の特色も生かしながらそれぞれの学校ごとに最も適した教科書を採択いたしました。

■桑名
愛国心を損なう自虐史観を植えつけさせる教科書や、自衛隊は憲法違反の疑いがある組織であり、国際貢献活動を行うにふさわしくない組織であるという考え方を生徒が持つ可能性を否定できない教科書で教育することについて、特に南海地震で第50普通科連隊の支援を仰がなければならない本県の知事としてどのように考えるか。

●知事
教科書の採択は、教育基本法の趣旨を踏まえ、国の検定を合格した教科書の中から、県教育委員会を初め各市町村教育委員会の権限と責任のもとに十分な調査研究と協議を経て、 各地域と生徒の実態に応じて適正かつ公平に行われるべきものととらえております。 今回の県内公立中学校の社会科教科書採択についても、そうした教科書採択制度の趣旨が反映されたものと承知しておりますが、いずれにしても約60年ぶりに改正された教育基本法においては、教育の目標として、我が国と郷土を愛する態度を養うことが明示されており、この趣旨に沿って教科書採択が行われていくことが大切であると考えております。
自衛隊の国際貢献活動については、内閣府の自衛隊・防衛問題に関する世論調査では、80.9%の国民が自衛隊に好印象を持っているなど、国民の期待や関心も年々高まっております。
このたびの東日本大震災における活躍も記憶に新しいところでありますし、第50普通科連隊の皆様の活躍は郷土の誇りであります。
南海地震に備える本県におきましては、自衛隊の存在や災害時の支援は不可欠であると考えておりますし、 隊員の方々には県民の命を守っていただくという重要な使命を担っていただいていることに感謝しております。 本県の子供たちにも、 自衛隊が我が国の防衛や国際社会の平和と安全のために果たしている役割について正しく学習をしてもらいたいと、 そのように願っております。

■桑名
公立小中学校における土曜日の活用について、 国の方針であるゆとり教育の推進を図るため、公立小中学校の土曜日は完全休日となった。 当然、 教科書は薄くなり、 国際学習到達度調査の結果もゆとり教育前より確実に低下している。 これを受け、文部科学省は公立小中学校の教科書のページ数を大幅にふやし、学力重視の方向へかじを切り直した。 これが平成23年度から公立小学校で、 また平成24年度から公立中学校で実施される新学習指導要領に基づく教育である。
先般、東京の公立小中一貫校日野学園へ調査に行った。 この学校では、授業時間を確保するために、土曜日授業はもちろんのこと、夏休みもサマースクールや勉強合宿を実施しており、 新学習指導要領では小中学校合わせて9年間で8,690時間の授業が定められているが、 日野学園ではさまざまな工夫で9,897時間の授業を確保している。 さらに、 勉強だけでなく人間形成のための学校行事にも重きを置き実施している。 校長の話では、こうした取り組みを行うためには土曜日の活用が不可欠とのことであった。
そもそもゆとり教育は、 時間があいた土曜日は地域や家庭が教育をすることが前提となっている。しかし、共稼ぎの家庭が多い本県では、家族が土曜日に教育をしているとは思えない。 行き場を失った子供たちは、家庭内にとどまりテレビゲームに熱中しているのが実態ではないか。中学校に限れば、県内私立中学校では土曜日にも授業を実施しており、 当然その学力格差は広がっていくばかりである。学習面だけをとらえて言っているのではなく、本県の少年犯罪率は、3年連続で全国ワーストワンとなった。また、その低年齢化も懸念されている。
高知県警では、少年犯罪と休日との因果関係について調査はしていないということであるが、ゆとり教育が始まった当初、 休日の増加が少年非行を生み出していると指摘した県もある。 子供たちの能力をさらに伸ばすためにも、また非行のない高知県をつくるためにも、ぜひ公立小中学校における土曜日の活用を図るべきと考える。東京都を初め、幾つかの県でも検討され始めた土曜日における授業の復活や活用についてどのように考えるか。さらに、生きる力をはぐくむ日と設定されている土曜日を本県の公立小中学生がどのように過ごしているのか、実態を把握していればその現状についてお聞く。

●教育長
学校週5日制は、学校、家庭及び地域の3者が互いに連携し、役割分担しながら社会全体で子供を育てるという基本理念のもとに導入された制度であり、完全学校週5日制実施後10年を経過し、社会制度として我が国にしっかり定着をしてきたものととらえております。
土曜日は子供を地域社会や家庭に返すという学校週5日制の趣旨に沿うことを第一義としながらも、特色ある学校経営を行っていく上で、またそれぞれの学校の実情に応じて土曜日を有効に活用することは、市町村教育委員会や学校の判断であると考えております。 既に、 本県の公立小中学校におきましても、 土曜日を活用して各校の特色を生かし、 総合的な学習の時間を行ったり保護者や地域住民等への公開授業や参観授業を行ったりしている事例もあります。こうした取り組みが県内に広がっていくことにより、子供たちの学びの場が確保され、教育効果も高まってくるものと考えております。
次に、生きる力をはぐくむ日とされている土曜日を本県の公立小中学生がどのように過ごしているのかとのお尋ねがございました。
県教育委員会としましては、本県の小中学生の土曜日の過ごし方について詳細な状況は把握をしておりませんが、 例えば放課後等の子供たちの学習活動や地域の方々との交流活動の場を確保するため、放課後子どもプラン推進事業において、 平成22年度ですが、 小学校では172校中56校、 32.6%、 中学校では92校中14校、 15.2%が長期休業中も含めて土曜日等に放課後学習室等を実施しているという状況でございます。 
また、 文部科学省が実施をしました平成23年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査において、 土曜日等を活用した教育活動をどのように計画しているのかという調査項目に対して、本県では、外部人材等を活用した総合的な学習の時間等を計画している小学校は215校中56校で26%、中学校は113校中25校で22.1%。保護者や地域住民等への公開授業の計画をしている小学校は181校で84.2%、 中学校は90校で79.6%。 また、 自然体験等の集団宿泊活動や文化・スポーツ等の体験的な学習の機会を提供している小学校は20校で9.3%、中学校は11校の9.7%という状況にございます。

■桑名
追手前高校が平成23年度入試で定員割れとなった。 人文コースは募集定員数160人に対し受験者数は155人、全員合格。 科学コースにおいても定員割れにはならなかったが、募集定員数120人に対し受験者数は127人、不合格者数が5人という結果である。全定員を前期だけで募集する新たな入試制度となった平成22年度でも、人文コースで6人、科学コースで6人の不合格者を出すだけの低競争率となった。
一方、小津高校、西高校は2年連続定員を90人以上オーバーする状況である。これは、 単に追手前高校に受験生の人気がなく、 また一方で小津高校や西高校の人気が上がっていったためとは考えられない。 受験対策の指導に問題があるのではないかと考る。
問題ある受験指導で被害を受けるのは、何の疑いも持たず、 根拠のない指導に従っている生徒たちである。 本来、 追手前高校に入学可能な生徒が受験もできず、また小津高校や西高校に入学可能な生徒たちが高い競争率の中、不合格となって、最後はセンター試験を受験するカリキュラムが組まれていない高校に入学せざるを得ない状況が現に起こっているのである。高校受験は、 単に競争するだけでなく中学生一人一人の学力向上のきっかけや努力をすることへの契機となり得る側面があると考えるが、どのようにして適正な競争を生み出す入試にしていくのか、 教育長にお聞く。

●教育長
高等学校の入学者選抜制度は、国の通知に基づき、学力検査については1点の差を競わせるのではなく一定以上の点数がとれれば足りるという基本的な考え方に立ち、 生徒の多様な能力・適性、 意欲、 努力の成果や活動経験などをさまざまな観点から評価し、学力検査、 調査書、 面接、 志願理由書などを総合的に判断して行うことを趣旨としています。
現行の入学者選抜制度は、 県立高等学校問題検討委員会の報告に基づき次の2つを基本的な考え方として導入されています。
まず第1に、中学生の主体的な行きたい学校の選択を保障できるものにすること。第2に、基礎学力が身についているかを確認することができることとあわせて、 中学生の学習意欲の向上に役立つものとすることとしています。これらの考え方に基づき、平成22年度入学者選抜から前期選抜に5教科の学力検査を課し、通学区域を撤廃するなど制度の改善を進めております。
現在、高校の特色ある取り組みや高校卒業後の進路状況、詳細な学力検査の結果分析など、中学校の進路指導に役立つ情報を提供しておりますが、今後、生徒、保護者、学校関係者が進路を適正に選択できる情報提供となるように、 さらに工夫してまいります。

■桑名
中学校現場での受験対策及び進路指導では、基準となる物差しがなくほとんど過去の実績や勘に頼っているとの声も聞こえてくる。 一部の塾では統一模擬試験を実施しているが、受験者数は少なく公的な性質のものではない。 県が主導して、 自分の学力の正確な情報がわかる仕組み、そして正確な情報をもとに学力の向上を促進する仕組みをつくっていくことを検討する必要があると考えるす。

●教育長
中学校における進路指導においては、 自分の将来の生き方や生活に夢や希望を持ち、 生徒が主体的に進路選択を行っていくことができるよう指導を行っていくことが大切です。
各学校では、 高校受験に当たって生徒本人の意向や保護者の願いなどを十分に酌み取りながら、 生徒の学力の状況に応じた適切な進路選択が行われるよう指導しており、 その際には生徒の3年間の学習状況や各学校で独自に積み重ねてきたテスト結果、 高等学校の学力検査の結果など総合的に分析を行っています。
御提案のような、県主導で高校入試のための基準となる物差しを作成するといったことは、 過度な競争をあおるおそれや点数だけに頼った進路指導に陥るといったことも危惧されますことから、 慎重な対応が必要と考えております。
こうしたことから、生徒自身がより適切な進路が選択でき、将来を切り開いていく確かな手だてとするためにも、まずは各高等学校のさまざまな特色など具体的でより詳細な情報を中高双方で共有しながら、 進路指導の精度を高めていくことが重要であると考えております。

◆観光振興について
■桑名
本県は、観光立県を目指すべく、花・人・土佐であい博、土佐・龍馬であい博と続き、今年度は志国高知龍馬ふるさと博を開催し、 多くの観光客に好評を得ている。 特に土佐・龍馬であい博では、目標であった400万人観光客数、 1,000億円産業を達成した。このことによって、各地域での観光資源の発掘や磨き上げも行われ、 自治体や観光産業のみならず多くの県民の皆様の観光振興に対する意識の向上にもつながったものと思う。
一方、二次交通対策やリピーターの確保、滞在型観光を推進するための受け入れ体制の整備など、今後の課題も明らかになってきた。そもそも旅を楽しむということは、非日常的なことに浸ることではないか。そういった意味では、この土佐の地は風土 風習 県民性と何をとっても都会から見れば非日常的と感じてもらえると考える。
土佐をこよなく愛した司馬遼太郎氏の名著 「歴史を紀行する」 の中では、高知の魅力を、どこへ行っても土佐弁を堂々と使い、 犬が利口か猫が利口かなど、どうでもいいことを果てしなく論じ大酒を飲む。さらに、土佐はへき地であるのに その劣等感を今も昔も土佐人は奇跡的なほど持っていないことに痛快さを感じると述べている。 これぞまさしく高知の魅力の真骨頂ではないか。 非日常的な土佐の風土、 風習とともに龍馬に代表される土佐人の魅力をどう売り出していくのか、 このことが今後の観光政策の柱になると私は考える。
また、 先般、 室戸ジオパークが世界認定され、 本県観光振興や地域振興の起爆剤となる。志国高知龍馬ふるさと博後の本県観光政策はどのようなコンセプトを持って推進しようとしているのか。

●知事
本県の観光は、この2年半の産業振興計画の取り組みによってさまざまな新たな観光資源が芽生え育ちつつありますし、 地域の方々の意識も大きく変わるなど格段にレベルアップしたと感じております。
ただ、本県の持つ地理的ハンディキャップを克服するためには、中長期的な視点に立って、地域の観光が自立し持続していくことができるように、 全国に通用する魅力ある観光地づくりにさらにしっかりと取り組んでいかなければなりません。
そのため、 例えば室戸ジオパークのような全国に発信でき得る観光資源を、その地域への誘客の目玉、 核となる観光拠点として育てていきたいと考えております。さらに、その周辺にある観光スポットや体験プログラムなど、観光客の満足度を高めるため、さらに磨き上げて質の向上を図るとともに、いまだ潜在化している資源について、議員のおっしゃられた土佐人の魅力などの本県の強みを生かしながら、さまざまな新たな切り口やテーマで見直し、新しい観光資源として創出していくことで地域での観光客の受け皿を拡大してまいりたいと考えています。 加えて、核となる観光拠点を中心として、周辺の観光スポット等を周遊するルートづくりや観光商品の広報・セールス活動を担うため、 地域コーディネート機能の充実強化を図り、 地域の面的な魅力を高めるといった取り組みを進めてまいりたいと考えております。

こうした観光地づくりを進める一方で、博覧会のような冠がない中では、いかに既存の観光資源を組み合わせて旅行者のニーズに合致させるかといった、 効果的なプロモーションを行っていくことがこれまで以上に重要となってまいります。このため、博覧会の開催を通じて得られた旅行エージェント等との信頼関係やPRのノウハウを生かしながら、 より戦略的な観光プロモーションを展開してまいりたいと考えております。このように、ふるさと博終了後の観光政策としましては これまでの博覧会によって得られた財産、成果などを最大限に活用しながら、中長期の視点にも立った取り組みを着実に進め、定常的に全国に通用する持続可能な観光地づくりをコンセプトに取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。

■桑名
8月に阪神タイガース1軍の安芸キャンプ撤退の報道がされた。 阪神が撤退することを受けて、 今後オリックスや韓国のSKワイバーンズもどういった判断をするかわかりません。4月に撤退の打診を受けてから今日まで、 県としてどのような対策を立て取り組んできたのか。

●観光振興部長
ことし4月に1軍の安芸キャンプ撤退の意向が伝えられた際は、直ちに知事を先頭に安芸市長とともに球団に出向き、 オーナーや社長に対しまして春季キャンプの継続に向けて本県の阪神タイガースに対する熱い思いをお伝えしました。その際、球団からは、 安芸球場の施設等の問題ではなく、 他の球団が多く集まっている沖縄で練習試合を数多く行いたいという現場サイドの意向があるとのお話がございました。
その後、 観光コンベンション協会が中心となりまして、 安芸市と連携しながら阪神球団と断続的に接触を重ね、1軍キャンプの継続についての要望、働きかけを続けるとともに、あわせて県内で実践的な練習試合が行える環境づくりに向けまして、 複数の他球団との交渉を行ってまいりました。そうした中、 8月9日のスポーツ紙にキャンプ撤退の記事が掲載され、その後球団関係者からもコメントも出されるなど、 来春の1軍キャンプの継続は大変厳しい状況になっているところでございます。
こうした情勢の中でございますが、 この22日に安芸市民や県民の熱い思いを球団社長に対して直接お伝えするために、 知事が再度安芸市長とともに球団を訪問いたしました。知事からは、阪神タイガースが県民の誇りであることを改めてお伝えし、キャンプの継続とオープン戦の開催について要望いたしました。それに対して社長からは、オープン戦については相手チームとの調整があるが、高知で開催するように進めるという趣旨のお話をいただきました。県といたしましては、 今後とも球団との縁が絶えることのないよう、 引き続き粘り強く働きかけを行ってまいりますとともに、 阪神球団がキャンプ地の選定を判断する際の好材料となり、 かつ多くのプロ野球ファンが喜んでいただけるように、 県内での複数のチームが参加して実践的な練習試合が行える環境づくりの実現に向けまして取り組んでまいりたいと考えております。

■桑名
本県には、プロ野球だけでなくプロサッカーJリーグチームのキャンプも張られている。
平成22年度は新燃岳の噴火の影響もあり、 計5チームがキャンプを実施した。 ほかにも3チームの打診もあったそうであるが、 練習場に限りがあるため話がまとまらなかったと聞く。 現状としては、 春野総合運動公園を各チームが日を調整しながら利用しており、施設の確保も問題となっている。
また、8年後の平成31年はラグビーのワールドカップが日本で開催される。 本県もキャンプの誘致を図るべく、 戦略を立て取り組んでいかなければならない。今回の撤退の報道を受け、これまでのプロスポーツキャンプの誘致とその定着についての課題は何か、 また今回の事態を教訓として今後どう生かしていくのか。

●観光振興部長
プロスポーツのキャンプは、 プロ選手たちの高い技術や真摯な練習姿勢等に身近に触れられるなど、 青少年の健全育成やスポーツ振興の面で大きな意義がありますし、 キャンプを目当てに訪れるファンや関係者なども多いことから観光面でも経済波及効果は大きく、さらに地域の活性化の面でもさまざまな効果をもたらすものと考えております。また、お話のありましたラグビーのワールドカップの日本開催に伴いますキャンプの誘致は、 本県にとって大きなチャンスであると受けとめております。
県といたしましては、こうしたプロスポーツのキャンプ誘致を含めまして、 今後スポーツツーリズムにこれまで以上に力を入れていきたいと考えております。
ただ、 既存のキャンプを定着させ、また新たな誘致を実現するためにはクリアすべき課題もございます。
例えばプロ野球のキャンプ誘致に当たりましては、 球団からのニーズが高い雨天練習場を備えた球場が少ないことが課題でございますし、 プロサッカーのキャンプ誘致の面では、冬芝を張ったサッカーグラウンドの不足が挙げられます。 こうした施設整備には、 多大な経費を要しますので、 関係部局と連携を図りながら、地元自治体や関係団体などと十分調整し、検討していかなければならないと考えています。
さらに、今回の阪神タイガースの例のように複数の練習相手の確保といったソフト面での課題などもあり、 他のチームの状況やニーズなどを把握し、 調整を行うことが必要となってまいります。いずれにいたしましても、
今後のプロスポーツキャンプの誘致に当たりましては、 こうした課題を一つ一つクリアしていかなければなりません。 そのためにも、 まずは相手方のニーズや状況の変化などを素早く的確に把握しながら対応していくことができるよう、 日ごろからの交流を通じました関係づくりやしっかりとした情報収集チャンネルの構築など、 受け入れ体制のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。

◆看護師・助産師の不足・偏在問題について
■桑名
日本一の健康長寿県づくりを目指す本県では、医療体制の充実が大きな課題となっている。 特に医師の確保は喫緊の課題であり、県においてもさまざまな取り組みを推進し その成果について県民も期待をしているところである。
また、医師だけでなく看護師や助産師も医療の充実を図るためには欠かせない職種である。平成21年3月に総合看護専門学校が閉校して2年がたちましたが、 閉校するに当たり、 高知県立大学看護学部の入学定員を段階的に増員することなどにより、 定員は順調に増加をしている。また 新卒看護師、助産師の県内定着数も、 平成20年の240人が平成22年には238人と閉校時とほぼ同程度を維持している。
我々自民党では、この夏、 医療現場の実態を知るため議員が各地の病院を訪問し、 看護師の声を聞いてきた。その中で、患者が高齢化をしており、夜間の事故が増加し看護師の負担が大きい、 介護福祉士の登場により看護師の負担が減ると思われたが役割分担が明確になっていないため看護師の負担は減らないなど、 看護師の過酷な勤務実態の話を聞くことができた。 これらの声に共通することは、県内における看護師偏在が大きな要因となっていることである。 県内の看護師は着実に増加しているが、 その就職先は高知市を中心とした中央保健医療圏に集中しており、 そのほかの医療圏では新たな看護師の確保が難しい状況にある。 ちなみに、 平成21年度の新卒看護師・助産師の地域別就職者数は、高知市を含む中央医療圏が177人に対し、 安芸医療圏が2人、高幡医療圏が4人、幡多医療圏は17人となっている。県内全体で必要とする看護師数を確保できても、地域の偏在を解消しなければ厳しい職場環境は改善されず、 看護師の離職率は高くなり、 慢性的な看護師不足を起こしてしまう。 このような現状をどのように認識しているのか、また、これらの課題を改善するために今後どのような取り組みをするのか。

●健康政策部長
平成22年度に策定しました高知県第7次看護職員需給見通しにおける看護師の需給バランスは、 需要と供給がほぼ均衡している状況にあります。 しかし、 一方で県中央部以外の地域では、 看護師の確保に特に御苦労されているともお聞きしており、 地域間で看護師確保の難しさに濃淡があるものと認識しております。
これまで、 県においては看護師確保対策として、 県中央部以外の医療機関に一定期間就業することにより償還免除となる奨学金の貸し付けを初め、 院内保育所の整備や新人看護職員の研修に対する助成などを行ってまいりました。 また、 高知県看護協会や高知大学に委託して、 がんなどの専門分野の研修にも取り組んでまいりました。
しかし、 先ほど申し上げましたように、 県中央部以外における看護師確保の難しさといった課題がありますことから、 今後はこれまでの取り組みに加え、 奨学金制度のPRや奨学生に対し本県の地域医療の現状や求人情報の提供などを行うことにより、 地域で働く意欲のある看護師の確保に一層努めてまいります。
加えて、 現在就業中の看護師の方々の離職防止や就業されていない看護師の再就業を促進するために、 研修等のキャリア形成への支援や短時間正規雇用制度、 フレックスタイム制度の導入など働きやすい職場環境づくりに取り組む医療機関への支援にも取り組んでいきたいと考えております。

■桑名
助産師の確保については、 総合看護専門学校の閉校以降、 高知県立大学での助産学科の定員増や高知大学大学院実践助産学課程の設置もあり、 養成については一定めどが立ったが、 助産師の確保については引き続き努力をしなければならない。
現在、 助産師確保の面で大きな役割を果たしているのが、 高知県助産師緊急確保対策奨学金である。 しかし、この制度も平成24年度までの5年間の期限付きとなっている。 平成25年度以降の助産師の安定確保のためにも、 引き続きこの制度を継続する必要があると考る。 再来年度の予算計上となるが、 助産師を目指す方たちに早目に知らせることも有効な手段と考える。 奨学金制度のあり方と今後の見通しについて聞く。

●健康政策部長
この奨学金は、 総合看護専門学校助産学科の廃止に伴い、 県内の助産師の確保対策として平成20年度に創設したもので、 実施期間は24年度までの5年間となっております。
現在までに19名に貸し付けを行い、 4名の在学中の者を除く15名全員が県内において助産師として就業しており、 また県内の分娩取扱施設への助産師の就業者数は、 平成18年末には127人であったものが平成22年末には146人と、 19人増加しておりますことから、この奨学金制度が一定の成果を上げてきたものと考えております。
また、 高知県立大学におきましては、 今後毎年8名程度の助産師養成が見込まれておりますし、 高知大学大学院におきましても本年度から5名程度の養成が始まっております。 このように、 助産師緊急確保対策奨学金の創設時とは若干状況は異なってまいりましたが、 助産師の確保は県民の皆様が安心して出産をしていただくために欠かすことのできないものですので、 この制度が終期を迎える平成25年度以降も助産師確保に係る奨学金制度を継続するよう検討してまいります。

◆暴力団排除条例について
■桑名
人気タレントの島田紳助さんが突然芸能界から引退した。 引退の理由は、 暴力団幹部との親密な交際によるもので、自分の中ではセーフと思っていたが周りからアウトであると指摘され、 我に返り、 そのとき認識が甘かったと気づき引退を決意されたのであろう。
この10月1日には東京都と沖縄県で暴力団排除条例が施行され、これで全都道府県が出そろう。 暴力団排除条例は、 社会全体が暴力団とはかかわらないことの意思表示をすることで暴力団を排除し、 安全・安心な社会を確保しようとするものである。 本県は、 全国でも比較的早く条例を制定し、 またすべての市町村においても県にあわせ本年4月1日より施行している。条例施行後6カ月が経過したが、 この間どのような成果があったのか、 警察本部長にお聞く。

●警察本部長
本条例では、 第24条において祭礼における暴力団排除が規定されており、 行事主催者が、 暴力団員等が出店する露店であることを知りながら露店を出店させることを禁止しております。 これを受けた警察からの働きかけなどにより、 暴力団排除意識が高まった行事主催者が、 露店出店希望者から暴力団関係者ではないとする誓約書を徴収するなどし、 暴力団関係者の申請が判明した場合には出店拒否を通知して事前に排除しております。
また、 開催当日においても、 行事主催者、 警察協働で会場の各露店を巡回し、 新たに判明した暴力団関係者に対して、 行事主催者がその場で出店拒否を通知して排除しております。 その結果、 8月末までに9つの祭礼で延べ26名の暴力団関係者を排除し、 暴力団の資金源に打撃を与えるとともに、 祭礼の環境の浄化と露店の健全化に一定の成果を上げているところでございます。

■桑名
今回の引退劇で暴力団とかかわることがどれほど反社会的な行為として問題となったのか、県民にも十分理解されたのではないか。 今こそ本条例の目的や内容について県民に浸透させ、 実効性のあるものにしなければならないと考るが、 その具体的な方策について本部長にお聞く。

●警察本部長
本条例は、 社会全体で暴力団を排除し、 暴力団を孤立化させ、 安全で安心な高知県にすることなどを目的として制定されておるところでございまして、 県下全域で条例の周知徹底を図り、 暴力団排除の必要性と重要性を浸透させることが必要不可欠でございます。
そこで、 県民に対しては、 本条例の制定の目的や内容等についての周知徹底を図るため、 さまざまな機会、 広報媒体を利用した広報を積極的に推進しているところでございます。
さらに、 本年5月から来年3月まで、 緊急雇用創出高知県暴力団排除条例広報活動事業として警備業者に条例広報活動を委託し、 広報隊員5名により県内の祭りや花火大会などの行事、 また大型スーパー、 量販店、 事業所などにおいて新たに広報隊が作成したチラシ、 うちわ、 ポケットティッシュなどを配布するなどしまして、専属的かつ集中的な条例の周知徹底を図っているところでございます。
今後とも、引き続き広報隊を効果的に活用しながら各種警察活動を通じた広報活動を継続し、 条例の周知、 浸透を図るとともに、 暴力団との関係を有することが重大な不利益をもたらすものであることを理解していただき、 暴力団との関係遮断や取引拒絶に向けた県民の自主的な取り組みを促すよう、 暴力団排除意識の高揚に力を注いでまいります。

■桑名
暴力団を壊滅させるためには、 その構成員を一人でも多く組織から離脱をさせなければならない。 そのためには、 社会復帰に向けての受け皿がなければ構成員の減少にはつながらないものと考える。 また、 新たな構成員を生み出さないことも必要である。
本県における少年少女の犯罪率は、 教育問題でも取り上げまたが、 全国ワーストワンである。 この子供たちが暴力団の世界に入らないための教育も徹底しなければならない。本県の条例では、 暴力団に加入しないための青少年に対する教育等について定められているが、 構成員の社会復帰と青少年の教育について、 今後県警としてどう取り組んでいくのか。

●警察本部長
暴力団組織内部からの弱体化を図るため、 第12条において暴力団員の社会復帰支援の推進を規定しておりますが、 この条例の施行にあわせて、県警では本年4月から暴力団員の社会復帰の支援を専属的に推進する社会復帰アドバイザーを雇用しております。
社会復帰アドバイザーは、 実際に相談者と面接するなどして相談内容を厳正に調査検討し、 真に離脱を希望する者に対しては早期離脱と社会経済活動への参加を確保するなど、 社会復帰に向けた必要な支援を進めております。 本年4月から昨日までの間に社会復帰アドバイザーが対応した離脱相談や就労相談は13件ございまして、 この中には、 実際に服役中の組員と面接し離脱を確認した事例や、組員、その家族から相談を受けて離脱を確認した事例など、 一定の成果を見ているところでございます。
また、 条例制定前に実施した県民に対するアンケート結果でも、 若年層ほど暴力団の存在に寛容な意識があるということが判明するなど、 青少年に対する暴力団の実態等を理解させる教育の実施は必要不可欠と考えます。 そのために県教育委員会とも十分な連携をとらせていただきまして、 これまでに少年補導員などによって実施されていた薬物乱用防止教室にあわせて、 本年4月からは暴力団犯罪捜査に従事している警察官による暴力団情勢や暴力団の実態などの講話を実施し、 青少年に対する暴力団排除の教育を推進しているところでございます。
今後とも、 既に暴力団に加入している者の真の離脱支援と、 青少年を新たに暴力団に加入させないことや暴力団からの犯罪被害に遭わないための教育の推進によって、 暴力団組織内部からの弱体化を図ってまいります。 以上、 3点についてのお尋ねでございましたが、 暴力団対策につきましては、 県警としては今後とも違法行為については徹底的に研究するとともに、 この条例の効果的な運用を図ることによって暴力団の資金源を遮断し、 暴力団組織の壊滅に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。

9月27日